昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ミラノに到着した日

ミラノ駅到着後の最初の悩みは、ホテルまでメトロに乗るか、はたまたタクシーを利用するかだ。
荷物が重たいので、タクシーが便利なのは当たり前だが、以前イタリアに来た時に、運転手に散々騙された経験があり、トラウマになっている。
それならメトロと、ギャンブルしてみた。
しかし案ずるより産むは易し、いつもは戸惑う自販機のチケットもすんなり買えたし、迷わずに宿泊のホテルのすぐ近くの出口まで行くことができた。

今回のミラノは、7泊の長丁場滞在。
余裕のヨッチャン(最早死語?)日程なので、到着の夜は、本場イタリアのスパゲッティ店探しに出かける。
すると妻が、「ついでに明日行く予定の場所を下見しておきたい」と言い出した。
簡単に済むものと、二人して出かけたまではいいが、ミラノで一番厄介なのは道に迷ってしまうこと。

ここでは一応、中心的な建物や広場から、放射線状に道路が広がっているが、それが途中から複雑に曲がり、更には横道がたくさんある。
普通に歩いている積りでも、いつの間にか違うところに迷い込んでしまう。
「空間感覚には自信がある」と豪語する妻でも、しばらく進むと首を傾げ、地図に見入る。
また元の道に戻り、もう一度やり直し。
そんな事を繰り返しているうちに、すっかり疲れ果てるし、腹は減る。

腹が減ると、機嫌が悪くなる。
とにかく座りたい気持ちが強まり、もうスパゲッティの味なんかどうでもよくなる。
ヤケ気味に適当な店に入ったが、こんな時間がある旅なのに、ミラノ初日に道路調査などを言い出した妻への不満がフツフツと湧き上がる。

常ならば、この状態で大喧嘩になるところだが、今回は「夫婦相和し、逆らうこと無し」が一番の目標。
グッと奥歯を噛み締め、にこやかな表情で「スパゲッティ美味しかったね」と話す姿は、悟りを開いたお釈迦様か、すべての苦難を背負い込んだキリストに見えるのではないだろうか。

肝心のスパゲッティだが、このミラノ、先のSTRESAに比べ大都会なので、大衆的な店がない。
どこもかしこも、瀟洒な店構えで、且つSTRESAに比べ、値段も倍近く高い。
しかし物価高世界一のスイスを経験している我々夫婦には、それでも安く感じてしまう。
ミラノで二人して高級感溢れた料理を食べても、スイスの似非日本料理店で食べたインスタントうどんよりもはるかに安い。、
先にとんでもない目にあっていると、普通でも有難く感じてしまう。

腹ごしらえが終わると、くたくたに疲れて、ホテルに帰還。
途中の路上で、社交ダンスを踊っているカップルがいた。
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歌や曲芸の路上パフォーマンスは数多く見てきたが、ダンスは初めて。
女性は別嬪さんだし、踊りはキレキレ。
男は、典型的なイタ公野郎で、いかにも女誑しの雰囲気に満ちている。
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しかし観客からヤンヤの喝采があがり、帽子に金を入れる人が多いのは、さすがはイタリア、ミラノ。
他の都市とは、一味違う文化の香りがする。