昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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マッジョーレ湖観光

九年前に初めてのミラノにきた時にアテンドしてくれた某大手商社社員によると、ミラノでベストな観光スポットはマッジョーレ湖らしい。
その時は、時間がなくて断念したが、今回はむしろ暇で仕方がない旅だ。
九年越しの悲願達成に、マッジョーレ湖を訪れた。
到着した日は、生憎の大雨。
しかし最寄のSTRESA駅からホテルまでは、タクシーの距離でもないし、第一、駅前にはタクシーなどいない。
やむを得ず、重い荷物を引きずりながら、大雨の中を傘を差して、ホテルまで夫婦して歩く姿が情けない。
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この夜は、STRESA市でレストランが集中している、と言っても半径50mくらいしかない超チッポケな市街地で、楽しみにしてきたスパゲッティボンゴレを食べる。
さすがに本場、これは美味い!
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テレビではW杯、オランダ対チリ戦を実況中継しているので、テレビの見える席を所望。
イタリアが予選敗退しているので、イタリア人はまるで無関心のようで、テレビの前は閑散としている。

翌日は、船で島巡り。
実はこの日の観光をめぐって、夫婦で意見の違いが発生していた。
妻は、せっかくここまで来たのだから、有名な島は全部回りたいと言う。
一方の僕は、夕方にはミラノに向かうので、時間がないから全部は無理だと諭す。
その結果、島巡りは一番有名なISOLA BELLA島だけで諦める。
しかしその代わり、昼にかけてロープウェイで、MOTTARONE山へ出かける妥協案となった。
8時20分発の周遊船に乗ろうとするが、売り場は開いているものの、チケット売りの担当者がいない。
妻が事務所の裏で寛いでいるオバサンを捜し当て、やっと乗船するが、客もほとんどいない。
10分で島に到着すると、どの店も開いていない。

一緒に乗船していたのは、我々以外は全員が島への通勤者で、着船後あたふたと職場に向かっている。
この島では全ての施設が9時オープンなのだが、我々はホテルチェックアウト手続きがあり、9時半には戻りの船に乗らなければならない。
こんな小さな島で何もすることがないのは、何ともつまらない。
暇潰しでウロウロと階段を上っていったら、王宮庭園へのドアが半開きになっている。
何気なく入ると、そこはこの島最大の観光スポットだった。

庭園の中を歩き回っていたら、真っ白の孔雀の出迎えを受け大満足したまではよかったが、次に清掃中の係員に出くわした。
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まさに怪訝そうな顔で、「Ticket?」と聞かれたので、船のチケットを見せようとしたら、「OK, ok.」と簡単に納得した。
ここに来て分かったのだが、あのドアは係員が来客の準備に入館した後、閉め忘れたもので、勿論我々がそこに入るためには、正式にチケットを購入する必要がある。
しかし係員にしてみると、こんな時間に観光客がいるのは不思議なだけで、基本的には自分の業務以外には関心がないために、チケットを持っているのなら問題ないと判断したようだ。
おかげで、庭園からの景色を満喫できた。

一旦ホテルに戻った後は、荷物を預けてロープウェイ観光へ。
乗り場は、僕の場合は歩いて10分の場所だが、妻同伴となると、ペースが半分以下に落ちる。
やっとたどり着いてチケットを購入するが、我々夫婦の直前で定員オーバー。
次の便まで、20分間待たされる。
次は一番乗りなので、一番景色を見渡せる場所を確保できたが、このロープウェイは、途中で乗り換えがあった。
一番最初に乗り込んでいるから、当然ながら、降りるのは後の方になる。
すると今回もまた、我々の直前で定員オーバーとなった。
そんな馬鹿な!
乗り継ぎ用のロープウェイなら、最初の便に乗っていた客数を運べるものを用意するべきだろう。
哀れ、中間点に残された我々夫婦を含む5人の客は、何もすることがないまま、更に20分間待たされる羽目になった。

このロスタイムが堪え、ホテルに戻ったのは、ミラノ行き列車発車予定の20分前。
重い荷物を引きずりながら、必死に急ぎに急いで坂を登り、駅に到着したのが発車10分前。
ところがこの時点で、チケット売り場が開いていない。
我々が乗る列車以外に、わずか6分の間に三便も発車予定があり、客が列を成しているのに、売り場が開いたのは、我々の乗車予定のわずか5分前。
最初に出発予定列車の場合は、まさに1分前。
当然ながら、チケットを買えない客は怒り出す。
更に一番前に並んでいた夫婦のチケット手配がもたついたので、二番目の客は怒り心頭に発して怒鳴りまくるが、売り場のオバハンは、蛙の面にションベン状態。
我々の場合は、僕が列に並んでいる間に、妻が自動販売機で悪戦苦闘の結果、何とかチケットをゲットできたが、ちょうどその時に、イタリアでは珍しく時間通りに列車が到着して、まさに間一髪、九死に一生を得た。

我々夫婦の結論は、「This is Italy, これこそイタリア!」
仕事よりも、自分たちの昼食優先の国だ。
こんな苦労があったが、何とか、ミラノに到着することができた。