百田尚樹と言う作家は、異常にサービス精神が旺盛だ。
元々テレビのゲスト出演から放送作家になり、その後に大人気作家になった異色の存在なので、観客サービスの余り、ついつい肩に力が入るのだろう。
自民党の勉強会で「沖縄の地方紙二紙は潰さなあかん」とやらかした発言が、集中砲火を浴びている。
あらゆるマスコミが、百田尚樹の発言を厳しく批判している。
百田尚樹の支持者など、どこを探してもほとんど見つからない状況となっている。
僕もまた、今回の百田尚樹の発言には、首を傾げている。
しかしそれは彼の発言が巷間騒がれている、とんでもない言論弾圧だと思っているからではない。
勿論、百田尚樹には、沖縄の地方紙が潰れて欲しいと思う自由があるし、それを発言する事も許される。
ならばこんな時には、「沖縄の新聞紙は潰さなあかん」みたいな、我々が酒を飲んで管を巻いているようなお気楽発言ではなく、もっとヒネリの利いた表現で、沖縄紙を批判して欲しかった。
ただ、そんな百田尚樹の思い、考え方が、多くの人に支持されるかどうかは別問題だ。
もしも彼の意見に反対が多ければ、本業の作家活動にも悪影響が出て、彼の作品の売れ行きは悪くなるだろう。
百田尚樹も、そこは覚悟の上で、あのような発言をしているはずだ。
世の中には、半分は自分と違う意見の持ち主がいる。
その人が何を思おうと、何を発言しようと、それは許さなければならない。
唯一の対抗手段は、その人よりも自分の意見が、多数派になる為の努力だけだ。
百田尚樹に反対する人は、百田が潰れろと願った沖縄地方紙を潰さないよう、定期購読者を増やす努力をすればよい。
そうすれば、沖縄の地方紙は絶対に潰れないし、百田尚樹の気に障る記事を配信し続ける事ができる。
それが民主主義下の、正しい百田尚樹批判だ。