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百田尚樹非難への疑問

百田尚樹と言う作家は、異常にサービス精神が旺盛だ。
元々テレビのゲスト出演から放送作家になり、その後に大人気作家になった異色の存在なので、観客サービスの余り、ついつい肩に力が入るのだろう。
自民党の勉強会で「沖縄の地方紙二紙は潰さなあかん」とやらかした発言が、集中砲火を浴びている。
 
安全保障法案を巡って、安倍晋三の政策に反対している野党にとっては、主催した自民党の若手議員が安倍晋三に近い連中らしいので、降って湧いたようなチャンスになっている。
百田尚樹の発言は、許されない暴言で言論弾圧だ!」と言うのだ。
あらゆるマスコミが、百田尚樹の発言を厳しく批判している。
本来なら庇ってくれるはずの自民党でさえ、迷惑千万と言った態度であり、今や百田尚樹の周辺は四面楚歌。
百田尚樹の支持者など、どこを探してもほとんど見つからない状況となっている。
 
僕もまた、今回の百田尚樹の発言には、首を傾げている。
しかしそれは彼の発言が巷間騒がれている、とんでもない言論弾圧だと思っているからではない。
大体、「潰さなあかん」が言論弾圧なら、政権に反対なデモ隊が叫ぶ、「法案粉砕」だって言論弾圧になる。
「安全保障法案を潰せ」とシュプレヒコールしているデモ隊と、百田尚樹の発言は、質的には全く同じなのだ。
勿論、百田尚樹には、沖縄の地方紙が潰れて欲しいと思う自由があるし、それを発言する事も許される。
 
しかし百田尚樹は本来なら、安倍晋三の政策を応援しているはずなのに、今回の発言は却って、安倍晋三の足を引っ張る結果であり、全くの本末転倒になっている。
卑しくも百田尚樹は、少々オッチョコチョイの傾向はあるが、「海賊と呼ばれた男」では本屋大賞まで受賞した、日本を代表する大ベストセラー作家の一人ではないか。
ならばこんな時には、「沖縄の新聞紙は潰さなあかん」みたいな、我々が酒を飲んで管を巻いているようなお気楽発言ではなく、もっとヒネリの利いた表現で、沖縄紙を批判して欲しかった。
 
ただ、そんな百田尚樹の思い、考え方が、多くの人に支持されるかどうかは別問題だ。
もしも彼の意見に反対が多ければ、本業の作家活動にも悪影響が出て、彼の作品の売れ行きは悪くなるだろう。
百田尚樹も、そこは覚悟の上で、あのような発言をしているはずだ。
百田尚樹はケシカラン、言論弾圧だと喚いている人達は、自分達もまた、自分と違う百田尚樹の意見を弾圧している自己矛盾には気が付かず、自分だけが正義だと思い込んでいる。
 
世の中には、半分は自分と違う意見の持ち主がいる。
その人が何を思おうと、何を発言しようと、それは許さなければならない。
唯一の対抗手段は、その人よりも自分の意見が、多数派になる為の努力だけだ。
 
百田尚樹に反対する人は、百田が潰れろと願った沖縄地方紙を潰さないよう、定期購読者を増やす努力をすればよい。
そうすれば、沖縄の地方紙は絶対に潰れないし、百田尚樹の気に障る記事を配信し続ける事ができる。
それが民主主義下の、正しい百田尚樹批判だ。