安保関連法案は、説明不足で分かり難いとか、戦争法案とか、悪評紛々だった。
安保関連法案を強行採決したことで、更に支持率低下に見舞われる事は間違いない。
安倍晋三は、「支持率低下は覚悟の上」だったらしいので、評価は分かれるが、「国と国民を守る」信念に基づいた行動だろう。
そんな四面楚歌の安倍晋三に、起死回生の妙薬が見つかりそうだ。
安保関連法案同様、今や国民の関心が最も高い案件、新国立競技場の問題だ。
現在進行中の建設案は、当初予算1300億円を大きく上回る2520億円。
しかもこれで終わる保証は全くなく、今や3000億円超えは必至と見られている。
単に費用が掛かり過ぎるだけではない。
斬新気鋭のはずだったデザインも、奇を衒っているとか、まるで無用とか、さっぱりなのだ。
こうなると、役人同士や、関係各所の責任逃れが始まる。
今回のデザインを採用した安東忠雄も、今まで沈黙してきたが、非難轟々となったので、とうとう記者会見を開くらしい。
まるで大混乱状態で、何をどうすれば問題が解決するのか、全く道筋が見えてこない。
しかも巷間伝わるところでは、今回大問題になっている新国立競技場の実質的推進者は、なんとあの森喜朗と言うではないか。
東京オリンピック招聘での功労者だが、首相時代の評判は散々。
黒幕として彼の名前が出た途端、全ての嫌われ役を引き受ける存在になる。
各マスコミのアンケート調査では、安保関連法案も新国立競技場も、賛成20%、反対80%と言われている。
そこにもう一つの不人気案件、新国立競技場を現行案のまま放置すると、さすがの安倍政権もただ事では済まなくなる。
安倍晋三は否応なく、調停に乗り出さざるを得ない。
安倍晋三にとっては、オリンピックに間に合う事さえ担保されれば、この新国立競技場の計画見直しを決定しても、失うものは少ない。
しかも森喜朗は、サッパリ人気がない。
以上、岡目八目の素人判断では、安倍晋三は近日中に、新国立競技場の現行案の計画見直しを指示すると見たが……………