昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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SMAP騒動の企業論理

国民的アイドルグループ、SMAP解散か?!とやらで、ゲーノー界は上を下への大騒ぎだ。
それにしても驚くのは、SMAPの大ファンを自称するオバハン連中の何と多いことかだ。
それなりに酸いも甘いも噛みしめているはずの弁護士婆ァまで、「SMAPは国民の財産」とか、「何とかSMAPの歌を残してほしい」とか、実に甘っちょろいことを喋っていたが、SMAPなどには興味も好意も持っていない年寄り老人には、たかが歌手風情の解散劇で、何で皆がこんなに騒ぎ立てるのかがわからない。
 
しかし、企業論理からこの問題を見ると、大変興味深く面白い。
 
巷間伝わってくるところでは、今回の問題はジャニーズ事務所の女帝、メリー・喜多川と、ジャニーズの育ての親、飯島三智マネージャーの代理戦争らしい。
自他共に認めるSMAP育ての親、飯島マネージャーは、その成果故に周囲からの反発も強く、ジャニーズ事務所では孤立し退社することになってしまった。
一方事務所の真の実力者、メリー・喜多川にとってのSMAPは、確かに事務所に利益をもたらすが、自分が手塩にかけたグループではない。
余りSMAPを重宝がると、相対的に事務所内で飯島マネージャーの発言力が増してしまう。
そこで日頃から、何かとSMAPに対して手厳しく扱ってきたが、当然ながらSMAPにとっては面白くない。
世間では、国民的アイドルグループとまで評価されている。
それならたとえジャニーズ事務所と喧嘩になっても、世話になったマネージャーと共にSMAPブランドで勝負ができると、大それたことを考えたのも想像に難くない。
 
と、大体こんな粗筋のようだ。
 
しかしSMAP側は、自分たちの実力を過信していた。
マネージャーとSMAP連中は、SMAPブランドで全国に通用すると思っていたが、実はSMAPジャニーズ事務所が販売する一商品でしかない。
ジャニーズ事務所の許可がない限り、このブランドを活用することはできないのだ。
そんなビジネスの基本すらわかっていないようなら、元より反乱独立を画策した連中に勝ち目はない。
 
更にジャニーズ事務所側は、ビジネスの敵方になるSMAP独立派に対して、分裂工作を仕掛ける。
本来なら首謀者だったキム・タクを、将来のポジションでもちらつかせたのだろう、寝返らせることに成功した。
この時点で決定的に勝負あり!、反乱軍の死命は制されてしまった。
この辺は、労働組合を切り崩し、分裂を誘う会社側のやり方に近い。
実際に、独立劇の中心人物だったはずのキム・タクの裏切りに合い、後の四人は大いに動揺、事務所に詫びを入れて元の鞘に納まろうとしたが、女帝のお許しが出ない。
と、見ていたようなお話が続いている。
 
今回の騒ぎを客観的に見れば、SMAPは売れ筋ではあるが単なる一商品と見るジャニーズ事務所と、SMAPそのものに価値があると思っているマネージャーの見識の違いだ。
ジャニーズ事務所の中では決して主流ではなかったSMAPを、ジャニーズ事務所内はおろか、日本でも一番の人気グループに育て上げたと自負しているマネージャーにとって、SMAPがその他大勢と同様に扱われるのは我慢できなったに違いない。
一方のジャニーズ事務所は、SMAPは多大な利益を生み出すグループではあるが、所詮は歯車の一つに過ぎない。
事務所としては、後継グループの育成こそ急務であり、その為にはSMAPを踏み台にしての売り出し作戦も選択肢になってくる。
ジャニーズ事務所には、SMAPだってそれまでのシブガキ隊や少年隊の後釜として、ジャニーズ事務所の中で人気グループにのし上がった手ゴマに過ぎないのだ。
 
そんなジャニーズ事務所は、企業の秩序を守る為には、SMAP独立など絶対に認めることはできない。
むしろ、事務所の経営方針に逆らった場合の見せしめとして、SMAPに厳罰を下さなければ示しがつかない。
それはこの間の騒動の中で、ジャニーズ事務所への忠誠を逸早く示したキム・タクと、一旦反旗を翻した他の四人組との扱いに、決定的な差をつけることだ。
そのような観点から見れば、SMAPは解散するしか道はないし、キム・タクはジャニーズ事務所の出世街道を突き進むし、あとの四人には苦難の道しか残っていない。
 
さすがにここにきて、反乱軍四人組の士気も低下し、ジャニーズ事務所に対して恭順の意を示し始めたとの説が流れている。
仮に四人が、情状酌量されてジャニーズ事務所に戻っても、覆水盆に返らず。
そこには彼らの居場所はなく、戻ってもどうせ飼い殺しになるだけだ。
ならばここは一番、自らの才能に賭ける方が潔い。
せめて自分たちを裏切ったエリート、キム・タクに対して、反乱軍の意地を見せて欲しいものだ。
他人の喧嘩と対岸の火事は、大きいほど面白い。