不肖の息子、高畑裕太の犯した罪は強姦致死傷。
被害にあった女性にとっては、決して許すことのない大罪だ。
本人も犯行を認めているので、厳しい刑が予想されている。
しかし高畑裕太は、こんな破廉恥材を犯すまでは、前途洋々の俳優だった。
それがやるに事欠いて強姦致死傷では、最早浮かぶ瀬はない。
典型的な「親の七光り」タレントだった。
テレビに映る母親の息子の売込みは、露骨過ぎて「もういいよ」と辟易とするほどだった。
また高畑裕太は、周囲の空気を読めない一風変わり者キャラで、母親ともども世間ずれした発言を繰り返す役割だった。
しかし妙なモノで、その馬鹿さ加減やしつこさが、却って面白いと評価されたらしい。
高畑裕太については、最近テレビで見ない日はないほどの売れっ子だった。
実際に高畑裕太は、破廉恥罪を犯した。
すると途端に、それまで彼を重宝に扱ってきたテレビ局は、「やれ番組差し替え」とか「すぐに代役手配」とか、上を下への大騒ぎとなった。
母親の高畑淳子も、謝罪会見をせざるを得ない。
こちらは、レポーターたちの辛辣な質問に対して、窶れながらも誠心誠意答える姿が好評だった。
しかし高畑淳子は、役者だ。
どこまでが本心で、どこから謝罪の演技なのか?
記者会見で司会者が一旦時間切れをアナウンスしながら、高畑淳子が「いや、全ての質問をお受けしたい」と返したのも、女優としては織り込み済みの対応かもしれない。
息子が仕出かした犯罪の後始末は、賠償金額でも億単位が予想されるらしい。
実刑の可能性が高い息子に賠償能力があるはずがなく、結局は母親の稼ぎを充てるしかない。
高畑淳子は、テレビ番組やコマーシャルは中止になるが、舞台は今年いっぱい続ける意向を示した。
コメンタータ連中の多くも、「如何に息子とは言え、既に22歳のオトナなので、母親が息子同様に謹慎する必要はない」との意見だった。
しかし果たしてそうだろうか?
確かに母親には、法律的な問題ではない。
しかし観客は、高畑淳子の演技を見ても、素直に感動できないだろう。
彼女が見せ場で、大袈裟に見得を切っても、息子が思い出される。
思い切って笑いや涙を誘う場面でも、息子の影がちらつく。
説教がましい台詞など、論外になってしまう。
そんな舞台が、面白いのだろうか。
そんな舞台に、カネを払ってみたい人がいるのだろうか?
親子だから連帯責任を負わねばならない、などと時代がかったことを言う積りはない。
しかし高畑親子の職業柄、身内が強姦致死傷の罪を犯した以上、人前で演技するのは無理だ。