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新都知事、小池百合子の勘違い

晴れて東京都知事となった小池百合子
如何にも高級そうな和服姿で、リオオリンピック閉幕式に登場。
世界中が注目する中で、東京都知事の初仕事として、オリンピック旗を受け取った。
最後の最後までオリンピック閉幕式への参列に拘った、前任者、舛添要一の無念さの所為か、折からの大雨でずぶ濡れになり、風邪をこじらせてまでの大役を終え、ホッと一安心のはずだった。

が、続いての難問、築地市場移転問題で、妙なことを決めてしまった。
移転先の豊洲では、食の安全性が未確認であり、且つ暴騰した建設費が不透明との理由で、決定していた移転を先延ばしにしたのだ。
先ず整理しなければいけないのは、移転先延ばしの理由の二つ目、建設費の不透明さは移転そのものとは無関係だ。
と言うと、最近小池百合子のスポークスマンと化した参議院議員若狭勝は「こんなに暴騰した費用で建設された豊洲の新市場は、安全性にも疑問が出てくる」とコメントした。
自民党東京都議団への恨みつらみは分かるが、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」的な没論理性で、元辣腕検事とは到底思えない発言だ。
彼らが疑っている、「建設費に自民党都連の利権が絡んでいる」のなら、それこそ東京地検が徹底的に調査して、もしも不正があれば厳しく罰すればよい。

それよりも一番の問題は豊洲の地下水、土壌の汚染であり、これを理由にした移転延期にはそれなりの説得力がある。
確かに新市場については、安全性にお墨付きがあった方が良いに決まっている。
しかしこの手の問題は、必ず賛否が分かれる。
移転反対派にとっては、どんなに「豊洲の安全性は大丈夫」との見解が出ても、「いや、未だ調査は不充分」と絶対に納得しない。
移転賛成派は様々な理由から一日も早く移転したいし、反対派はどんな理屈を並べても移転は嫌がる。
結局は多数決で決めるしかない。
その結果が、11月移転となっていたはずだから、粛々と築地から豊洲に移転をするのが民主主義の在り方だろう。

ところが今回は、新たに小池百合子自民党自民党東京都連と言う、別次元の要素が加わってしまった。
都知事選を通じて決定的に反目した両者は、今や不倶戴天の仲になっている。
小池百合子都知事選の間中、自民党東京都連を仮想敵に見立て、ブラックボックスに切り込むと煽って当選したのだから、それなりの落とし前が必要になる。
勢い、自民党東京都連、就中その中のボス、内田茂を悪の総元締めとして攻撃せざるを得なくなる。
その材料として、一番衆目を集めている築地市場移転問題を取り上げたと言わざるを得ない。
謂わば、小池百合子の動機が不純なのだ。

食の安全を言えば、果たして築地市場は合格なのか?
築地市場の運営が、旧態依然としているだけではない。
建物は老朽化しているし、あれほど古い建物なら、アスベスト使用も噂されている。
また仮に、豊洲の上空がベンゼンに塗れていると言うのなら、その傍の築地だって怪しいはずだ。

確かに今回小池百合子によって、すっかり悪役のイメージが定着した内田茂は、善人面とは言い難い。
しかも驚くことに、金銭問題で東京都知事を辞任したはずの猪瀬直樹まで、内田茂攻撃の先兵と化している。
自分のことを棚上げして、良くも他人を非難できるものと、その鉄面皮振りには呆れるばかりだが、かっての鈴木宗男小沢一郎と似ていて、内田茂のような顔立ちは人々の怨嗟の的になりやすい。

民主党が政権を取った時には、蓮舫事業仕分けと称して、官僚たちを苛めた。
国民は、腹黒い官僚たちを木っ端みじんにやっつけたと大いに留飲を下げたが、そこから得られたものはほとんどなく、事業仕分けはすぐに廃止となってしまった。
今回の問題は、小池百合子若狭勝猪瀬直樹が、感情的に自民党東京都連内田茂を非難しても、ほんの一時的には東京都民の喝さいを浴びても、その見返りが尋常な金額ではない。

小池百合子が、江戸の敵を長崎で討つようなやり方をする以上、彼女は単なるポピュリストでしかなく、都知事としての技量を疑問視せざるを得ない。