当初は身の潔白を証明するために、法的手段も含めた徹底抗戦を表明していたが、フライデーが第二弾を報道した途端、引退を発表した。
引退した以上一般人になるので,今や誰もが知っている人物だがイニシャルでN氏とする。
彼の引退声明では、コカイン吸引に関してのコメントはなく、むしろ自らのセクシャリティが話題になっていることと、長年信頼していた親友に裏切られたことが引退の原因としている。
しかし、N氏絡みの報道に関しては、実はセクシャリティは問題の本質ではない。
親友に裏切られたのもまた、きわめて個人的な出来事だ。
いずれも法的には何ら問題がないし、N氏が芸能界を引退しなければならないものではない。
(ただプロレスラーのグレート・サスケがブログで綴った、「N氏から息子が受けたハラスメント」が違法なものであれば,話は別だが。)
彼が社会人としてペナルティを受けるかどうかは、ただ一つ、コカインを吸引したがどうかなのだ。
だから、その部分に自信があるのなら、クドクドと泣き言をいうのではなく、断固としてフライデーを訴えるべきだろう。
しかし、それにしてはあまりに唐突な引退声明なので、敵前逃亡の感が強く持ってしまう。
N氏が所属していた事務所も、一応は引退を引き留めようとはしたらしいが、翌日には公式サイトのN氏所属アーティストから削除するなど、さっさと手じまいの感が強い。
因みにN氏は、自らのプライバシーがこれ以上暴かれることは耐えられないと、引退の直接的な理由として述べた。
彼は実はナイスガイで、母親が死んだ後は自らの進学を諦めて、弟を親代わりに育てたとの美談がある。
これは、彼のプライバシーの部分ではないか。
自分に都合の良いプライバシーは積極的に開示しながら、都合が悪くなると、プライバシーを逃げ場にする。
これはまことに身勝手な、ダブルスタンダードだ。
特に芸能人は、好感度のプライバシーは、自分の人気を上げるために積極的に公開する。
しかしこのような手段で人気を博すると、人間はその裏側の顔を暴きたい衝動に駆られる。
フライデーをはじめとする写真週刊誌や、海外で有名人を追っかけるパパラッチなどはその典型だ。
今回もフライデーを批判する人たちがたくさんいるが、しかし一方ではセンセーショナルな見出しに魅かれて、暴露雑誌を購入する人たちも存在する。
そんな大衆の覗き趣味の需要があるから、特に好感度の有名人ほどターゲットにされるのだ。
だから僕は断言するが、いったん自分のプライバシーを切り売りした有名人には、最早守るべきプライバシーは存在しない。
今回の問題は、N氏が芸能界を引退すれば片付くモノではない。
N氏が今後どんな仕事についても、身の潔白を問われるからだ。
N氏は、コカイン吸引疑惑から逃げるべきではなく、フライデーを廃刊に追う込む決意で徹底的に戦うべきだ。
無論、自らの今までの行動に、一点の曇りもなく自信があればの話だが。