昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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言葉は目新しくても行動は旧態依然

最近Sustainabilityなどと、耳慣れない言葉をよく聞く。

スピーチの時に不必要に英単語を使うと評判の悪い小池百合子東京都知事だが、この単語も多用している。

これを日本語に訳すると、如何にも厳めしい「持続可能性」となるが、この日本語だって昔は使われていなかった。

 

しかしSustainabilityなる言葉は目新しいが、実際の仕事の現場では、とっくの昔からそんなことに配慮してきた。

僕が担当していた生産財の営業は、繰り返し受注が前提の仕事だったが、スポット受注と言われる消費財も、実は次の受注までのスパンが長いだけで、やはり固定客の囲い込みを目指している。

最も次の受注までの時間が短いスーパーマーケットなどの日用品だって、ポイント制を導入したりして客のお馴染みさん化を実践している。

これはいずれも、Sustainabilityの具体的な例だ。

 

仕事では日常的に、想定外の難問が襲い掛かってくる。

僕の仕事はスポット商売ではなく顧客との継続取引を前提とした業務だったので、現実の仕事では、例えどんなにヤヤコシイ問題であっても、期日を限って必ず解決しなければならない。

ところが、売り手、買い手の両方が納得できる解決方法があれば一番いいのだが、中々そうは問屋が卸さない。

顧客とはウィン・ウィン関係が原則とは建前で、局面局面では、勝った負けたの損得が発生する。

そんな時はやむを得ず、どちらか一方が妥協せざるを得なくなるが、とにかく何であれ、一旦は両者間で問題にピリオドを打たなければならない。

そうしないと、Sustsinabilityがなくなるからだ。

 

価格交渉がその典型で、売り手は少しでも高く売りたいし、買い手は少しでも安く買いたい。

その時に一方が勝ちっぱなし、あるいは負けっぱなしだとどちらかに不満が蓄積するので、長い付き合いにはならない。

「落としどころを探る」とか、「今回は貸し」とか、いずれにしても長く取引が続くことを前提に、丁々発止の交渉を繰り返してきた。

 

実際の交渉では、

「彼にあそこまで言われたら、仕方がない」

「今回は、貸シッ!」あるいは「借りッ!」

「今回はこちらの面子を立ててヨ」

とか、紋切り型やマニュアルには程遠い、極めて人間的なやり取りが繰り返される。

だから厳しい交渉になればなるほど、実は交渉当事者の人柄勝負になる。

 

Sustainabilityなどと言葉だけは目新しいが、実はやっていることは旧態依然としている。

結局は、お互いの人間力、信頼感がSusutainabilityの決め手とは、何とも当たり前の話だ。

実はそれこそが、ビジネスの本質のような気がする。