昨日から、こんなニュースが乱れ飛んでいる。
ところが当初は、丸ごとごっそりと合流する積りだったのに、相手先の希望の党からは事前面接合格者だけと条件が出され始めている。
双方の思惑の違いが明らかになるにつれ、民進党員からは不満と不安の声が増してくる。
これほど顕著な例は、政治の世界では珍しい。
しかし企業合併や吸収劇では、ごく当たり前の光景だ。
先ず他社、特にライバル企業に援けを求めた企業の立場は弱い。
こんな時に行き詰った企業の経営者が真っ先に考えるのは、社員の身の振り方だ。
吸収する側の企業経営者に対して、是非とも全員の再雇用をと訴える。
しかし吸収する側は、概して冷たい。
儲かっている事業に関わっている社員は吸収するが、全く利益を出していない事業の担当者は拒絶したがる。
企業の吸収合併の場合、吸収される側の立場は弱いモノなので、再雇用を拒否された連中は、各々が散り散りに働き場所を探さなければならなくなる。
今回の民進党は、将に経済界で行き詰まった企業と同じ悲劇的運命をたどっている。
しかし吸収する強い立場の方からの提案には、必ず裏がある。
結局は「全員の公認を目指して希望の党との合流」などの玉虫色発言で、全員一致の了承を取り付けた。
前原が言う、「名を捨てて実を取る」なんて、もとより倒産企業には、そんな我が儘やカッコいい台詞などが許される自由なんかあり得ないからだ。
民進党がここまで凋落したのは、全て自業自得だ。
政界でも経済界でも、負け犬には冷たい。
オーナー企業に再就職した社員は、余りの権力の集中、独裁振りにすぐについていけなくなる。
まともな神経の人間には、到底我慢できないような仕打ちを受けても、唯々諾々と独裁者についていくしかない。