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秋風が骨身に染みるぜ、倒産企業の民進党

衆議院民進党は、希望の党に吸収される。
昨日から、こんなニュースが乱れ飛んでいる。
ところが当初は、丸ごとごっそりと合流する積りだったのに、相手先の希望の党からは事前面接合格者だけと条件が出され始めている。
双方の思惑の違いが明らかになるにつれ、民進党員からは不満と不安の声が増してくる。
これほど顕著な例は、政治の世界では珍しい。
しかし企業合併や吸収劇では、ごく当たり前の光景だ。
 
先ず他社、特にライバル企業に援けを求めた企業の立場は弱い。
こんな時に行き詰った企業の経営者が真っ先に考えるのは、社員の身の振り方だ。
吸収する側の企業経営者に対して、是非とも全員の再雇用をと訴える。
しかし吸収する側は、概して冷たい。
儲かっている事業に関わっている社員は吸収するが、全く利益を出していない事業の担当者は拒絶したがる。
企業の吸収合併の場合、吸収される側の立場は弱いモノなので、再雇用を拒否された連中は、各々が散り散りに働き場所を探さなければならなくなる。
 
今回の民進党は、将に経済界で行き詰まった企業と同じ悲劇的運命をたどっている。
野党第一党だった民進党だが、その存在感は年年歳歳薄れていくばかりで、支持率も低下の一途だった。
起死回生の切り札と思った蓮舫の代表就任が、むしろ支持者を失う結果となり、今回の選挙で民進党公認では候補者の当選の目処が立たず、政党としては倒産必至の状況に陥っていた。
そんな民進党に対して、人気だけは抜群だが資金不足に悩む希望の党が救いの手を差し伸べた。
 
しかし吸収する強い立場の方からの提案には、必ず裏がある。
今回は、民進党を離党して、希望の党が公認する候補者の選別がそれだ。
希望の党は、「安全保障と憲法改正」を踏み絵に、所謂左派系民進党候補者をシャットアウトする腹積もりだ。
前原誠司は、兎にも角にも沈没船の民進党内で、希望の党への吸収の合意を得なければ二進も三進もいかない。
結局は「全員の公認を目指して希望の党との合流」などの玉虫色発言で、全員一致の了承を取り付けた。
しかし表層を一枚めくれば、すぐに民進党希望の党の意見の違いが露呈する。
実は、民進党全員が希望の党から立候補できるなんて、絵に描いた餅、幻想でしかない。
前原が言う、「名を捨てて実を取る」なんて、もとより倒産企業には、そんな我が儘やカッコいい台詞などが許される自由なんかあり得ないからだ。
 
民進党がここまで凋落したのは、全て自業自得だ。
政界でも経済界でも、負け犬には冷たい。
また民進党の議員が首尾よく希望の党から立候補できたとしても、その後は超イバラの道しかない。
オーナー企業に再就職した社員は、余りの権力の集中、独裁振りにすぐについていけなくなる。
希望の党はオーナー、小池百合子の「タヌキの一吠え」で、簡単に朝令暮改してしまう、共産党よりも独裁政党なのだ。
勝手気ままな意見が許された民進党の党員が、馴染むことなど不可能な体制なのは、先に民進党を離党し、小池の下に馳せ参じた細野豪志への処遇を見ても分かる。
まともな神経の人間には、到底我慢できないような仕打ちを受けても、唯々諾々と独裁者についていくしかない。
 
今回希望の党の事前審査に落ちた民進党の議員は、そんな気の毒な立場を免れたことを持って多とするべきだ。