昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ドン底に落ちた時の人間学

民進党の議員にとって、今回の衆議院選挙は地獄の一丁目だ。
何せ、今まで野党第一党として、反自民党の旗頭だったはずなのに、小池新党「希望の党」が出来た途端に 大将自らがギブアップして、本丸の衆議院民進党無血開城してしまった。
進駐軍希望の党は、全面降伏した民進党に対してやりたい放題。
まもなく参議院民進党も、雲散霧消するか、希望の党にイイトコ取りされてしまうだろう。
 
早速希望の党側は、左派勢力や首相経験者は受け入れないと、露骨に選別と排除をやり出した。
大将の前原誠司が、「話が違う」と細やかに抗議しても、占領軍は聞く耳を持たない。
困ってしまったのが、それまで民進党を引っ張りまわしていた左派、所謂リベラル派の連中だ。
何せ、希望の党民進党候補者受入れ条件は、安保法制賛成、憲法改正の二点だと言う。
ところが、この二点に反対することこそ、民進党リベラル派、左派の、政治家としての命綱だった。
キリスト教徒に、イスラム教への改宗を迫るのと同じくらいのハードルの高さで、真面目にキリスト教を信じていた人には、絶対に受け入れられるはずがない。
それをアッサリと宗旨替えしたら、ひょっとしたら希望の党の公認を貰えるかもしれなが、それまでの彼らを支持していた有権者からは、裏切り者扱いされる。
何よりも通常の神経の持ち主なら、これほどの屈辱的な踏み絵を踏むことは、議員云々より前に人間として耐えられない。
 
民進党候補者のほぼ全員が、決然と希望の党への合流を拒否し、無所属で初志を貫く。
と、そんなイメージでいたら、実際には信じられないような事態が進行している。
 
民進党左派の象徴的政治家は、辻元清美、枝野幸雄、阿部知子、そして有田芳生たちだろう。
他にも長妻昭とか赤松広隆とかがいるが、やはり安保法案に大反対して先頭で大騒ぎしていたのは辻元清美を始めとした先の四人組の印象だ。
だから辻元も枝野も、誰がどう見ても予選失格のはずだが、本人は「小池百合子とは波長がある」と、見苦しいまでの秋波を送る。
直前まで希望の党を悪魔とまで面罵していた有田なんか、「トロイの木馬」なんて言い出して、希望の党への転向を合理化している。
途端に同じサヨク連中から「そんな力があったらこんな情けないことになるか!」とか、「自らトロイの木馬と名乗ったら作戦バレバレ」とか嘲笑されているが、自分が恥ずかしくはないのだろうか。
希望の党へは、小沢一郎自由党もまた合流を画策しているらしい。
この自由党には、辻元清美に「劣るとも勝らない」左派政治家、山本太郎がいる。
山本の今までの行状からは、安保法制に賛成する連中からは一番遠かったはずなのに、「踏み絵が悩ましい」と全く煮え切らない。
 
冷静に考えれば、安保法案賛成、憲法改正希望の党は、本質的には自民党と変わらない。
日本維新の党だって、自民党希望の党と大差ない。
それならやせ我慢して、無所属でもいいから今までの主張を繰り返した方が、今までの支持者の信頼を得るし、生き様としてもカッコいい。
ドン底に落ちた時の生き方こそ、その人の人間性の全てが表面化する。
民進党衆議院議員候補者だった連中は、全国民注視の中で、卑屈に小池百合子の足をなめるのか、はたまた矜持を保って胸を張るか、重大な人生の岐路に立っている。


僕は思うのだが、痩せても枯れても日本の一部オピニオンリーダーの役割を果たしてきたとの自負があるのなら、少なくとも埃、モトイ誇りだけは捨てて欲しくない。
いくら政治家が落選したらタダの人以下と言っても、持説を節操なく曲げると、他人からは侮蔑の眼差しで見られる。
そんな政治家が、何か世の為、人の為になるような政策に関われるはずがない。
 
民進党は無残な最期を遂げたが、日本には一定程度の反自民党の人たちがいる。
その人たちは、今回の民進党崩壊で、共産党しか投票する対象がなくなってしまう。
ならば、武士は食わねど高楊枝!
民進党の残党は、少なくとも武士として政治家人生を全うする方が、まだ再起の可能性がある。