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ロダン美術館、国虎屋そしてジプシー

宿泊しているホテルの傍に、ロダン美術館がある。
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「考える人」の作者として、その名は世界中に知れ渡っている。
そのロダン美術館に歩いて向かう途中、機関銃を持った警官が四方を警備している建物があった。
そこは、現フランス首相官邸であることが後でわかった。

ロダン美術館のチケット売り場から続く展示場では、高校生か大学生が熱心にスケッチをしていた。
その建物を過ぎた庭の最初のコーナーに、かの有名な「考える人」の彫刻がある。
実物は極めて大きい。
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続いて進むと、バルザック像。
そっくり返った独特のポーズだ。
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庭にはそこかしこに、ロダンの大作品が置かれ、ロダン信者があらゆる角度から写真撮影中だ。

更に進むと、大作「地獄門」と「カレーの市民」がある。
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特にイギリスとの百年戦争で、フランスのカレー市民を助けるために自ら犠牲になることを志願した六人の市民の彫刻は、その一人一人の表情が強い決意と悲しみにあふれている。
歴史に無関係な僕でも、見ていて強く引き付けられるものがあった。
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建物に入ると、これまた有名な「接吻」が展示されていた。
しばらく進むと、今度はゴッホルノアール、モネなどの絵画がある。
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ロダンの収集作品なのだろうが、彫刻だけでなく、こんな絵画が展示されていたのは驚きだった。

ロダン美術館で二時間ほど過ごし、昼食はかの有名な「国虎屋うどん」へ。
午後1時過ぎていたのに、店の前には長蛇の列。
たまたまわれわれの前にいたのが、日本人の母親と娘のカップルで、翌日日本に帰るので、記念に国虎屋うどんを食べに来たという。
しかし店に展示されている価格表を見て、「高すぎて嫌になるわね」とこぼしていた。
客は圧倒的に外国人(多分フランス人)が多い。
日本と違って彼らは、食べ終わってもゆっくりと雑談しているので、客の回転が悪い。
やっと我々の順番になって、僕が頼んだのは一杯16€の国虎屋うどん。
日本円では1800円ほどもする。
勿体なくて、汁も一滴残さず飲み干した。
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その後、傍のオランジュリー美術館へ向かった。
ただこの美術館がお休みの日だったので、やむなくフランスがエジプトから盗んだオベリスクや、エッフェル塔を撮影しながらホテルに向かう途中で事件が起きた。
突然若いオトコから、「ユニセフ活動に署名を」と声をかけられた。
すると更に三人のうら若い女性が僕の周囲を取り囲み、「どこから来たの?」とか「日本人か?」とか、やはり「ユニセフに署名を」とか、とにかくうるさい。
その全部に「No!」と、会話すら拒否していたが、少し離れたところにいた妻も戻ってきて、僕のバックを前に回して、「この連中、怪しい」と警戒警報を鳴らしてきた。
何でもオトコは、ずっと僕のバックを狙っていたらしい。
確かに、すぐに取り出して確認できるように、市内地図と地下鉄路線図の部分は開けていた。
傍から見ると、いかにも不用心に見えたのだろう。
彼らを追い返した後もしばらくは付きまとわれ、やはり「どこから来た?」とかしつこく声をかけられた。
どうも、カモを取り囲んで掏摸を働くジプシーの集団で、署名運動のように見せて、その隙に別の担当がガラ空きになった右のバックから金目のものを盗む算段だったようだ。
最終的に僕をあきらめた時には、周囲には10人ほどのジプシーが集まっていた。

ポーランドチェコと比較的に治安は良かったが、最も先進国と言われるフランスでは、昼間から油断も隙も無い犯罪集団が跋扈している。