昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ロワール川城巡り

トゥールの宿舎、ラ・メゾン・ジュールの朝食は、マダム手作り。
と言っても、手製のパン、ジュース、コーヒーに卵料理だけ。
これを、他のゲストも交えてお話をしながら、ゆっくりと食べる。
このホテルは、基本的にリピーターで成り立っている感じで、日本人は大歓迎と話していた。

午前9時20分、予約していた旅行社集合で、この日の四古城巡りツアーが始まった。
ガイドは、母親が日本人、父親はブラジル人の女性だが、この人は男性顔負けの運転テクニック。
しかも説明のために横を向いたり、後ろを見たりで、危ない事この上ない。
同行の旅行者は、訳ありげな日本人の爺さん一人。
歳の頃なら、殆ど僕と一緒か。
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最初の目的地は、アンボワーズ城。
ここには、イタリアの天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの墓がある。
また城から見える、ロワール渓谷の景色が素晴らしい。
この日は快晴で、絶好の観光日和だ。
イメージ 2件の訳アリ爺さんは、一人で歩き回り、至る所で城から身を乗り出して自撮りしている。
人のよさそうな顔つきだし、本人は大真面目だが、その行動は周囲からは浮き上がっている。
尤もそんな目で見ているのは日本人の僕だけで、外国人はまるで無関心かもしれない。

午前中の次の場所は、広大なシュノンソー城。
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この城をめぐるオンナたちの戦いは、歴史好きには堪えられない。
しかしそんなことに興味がなくても、城と塔のバランスのよさとか、内部の各部屋の豪華絢爛さとかだけでも十分に時間がつぶせる。
ガイドから、ズラリと調度品が並ぶ地下厨房は必見だと教えられた。
また城の両サイドに位置するディアーヌの庭、カトリーヌの庭も、見事に整備されている。
取り分けカトリーヌの庭から見る城の光景が一番の見ものらしい。
しかし、午前中は逆光になりがちだと説明されたが、我々は殆ど昼だったので最高の景色を見ることができた。

昼食は、ガイド推薦の地元パン屋で、サンドウィッチを購入。
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確かに美味いが、パンが固い。
しかし食べているうちに、段々と味が出てくるのが不思議だ。
午後の部から、フランス人親子がバスツアーに合流。
フランス人も、家族揃ってこんな城を見に来るものらしい。

午後は、シュヴェールニー城から。
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この城は、六世紀にわたってオーナー一族が変わっていない。
城の中には、現オーナーの結婚写真が飾ってある。
また各部屋に、レゴで作られたイソップ寓話の動物たちが展示されている。
子供には大人気で、フランス人親子の子供が熱中してしまい、集合時間に遅れてくる始末だった。

最後は、ダ・ヴィンチ設計と言われる二重らせん階段で有名なシャンボール城

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外観は雄大な城だが、中は迷路のようになっている。
特に二重らせん階段を降り口を間違えると、全く違った場所に迷い込む。
また庭園も凝りに凝った設計で、テラスから眺めると、その美しさに見とれてしまう。
ここで花火大会もあるらしく、それはさぞや美しいだろうと想像できるが、果たして誰がこんな場所まで見に来るのだろうとも思ってしまう。
パリへ帰る列車との乗り継ぎ時間の関係で、最後の集合時間が気になっていたが、ツールに帰る途中の駅で下ろしてもらうことで余裕ができた。
ガイドが日本人には「それでは集合時間を予定よりも少し遅らせます」と通告したが、フランス人親子には何も言わない。
理由を聞いたら、「日本人は全員時間に正確だけど、フランス人は必ず遅れます」だって。
実際にフランス人親子が戻ってきたのは、当初の集合時間からシッカリと遅れていた。
それでも挨拶も謝罪もない。
フランスでは、時間に遅れるのは至って当たり前のようだ。

尚ツアーの途中で、ヨメが訳アリ爺さんの身の上話を聞いたところ、バツイチで娘が二人。
一人は京都で、もう一人がドイツのフュッセンに住んでいる。
娘を訪ねてヨーロッパに来てもやることがないので、一人で名所旧跡を巡っているとのこと。
言葉はあまりできないが、何とか通じるものとも話していた。
これを聞いて何となく同情心が湧いて、「お互い爺さん同士だけど、頑張ろうな」と声をかけたくなる。
別れ際には、お互いにこれ以上ない笑顔で手を振った。

これにて城巡りは終了。
午後9時過ぎにパリまで戻り、元のホテルに再度チェックイン。
フロントも我々夫婦を覚えていて、「お帰りなさい」が泣かせる。
疲れ果てて、直ぐに熟睡した。