昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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懐かしのナガラ族

もはや死語かもしれないが、僕たちの黄昏世代はナガラ族である。
若かりし当時は、ラジオのオールナイトニッポンを聞きナガラ夜遅くまで勉強するのが流行り、ナガラ族は集中力に欠けると非難されていた。
僕も、夜遅くなると、ラジオ電波を捕らえやすくなるから、大阪地方の深夜放送に胸をときめかせナガラ一所懸命に聞き耳を立てていた。
既に死んでしまった沢たまきのハスキーな喋りや、笑福亭仁鶴の軽妙且つちょっと色っぽい小話がとても新鮮で楽しかった。
メジャーだったオールナイトニッポンのキャスターは、亀アンド安弘(アンコー)や春日部の哲で、彼等も一斉を風靡した。ビートタケシのはるか前の時代だ。
無論、こんな事は勉強にいいはずがない。
学校の成績は低位安定となってしまったが、今も懐かしい思い出である。

僕らの時代の小学校には、必ず薪を担ぎナガラ読書している二宮金次郎銅像があった。
彼こそナガラ族の元祖そのものだ。
日本人は基本的にナガラ族と言われ、忙しくないと不安な為、常に何かをやっている。
一つの事に従事しナガラ、他の事を、出来れば二つ三つの事を一緒に併せてやっていると、ナガラ族としての充実感が溢れ出て来る。
忙しいのは美徳であり、その所為で体調を壊してもそれは自慢話になってしまう。
「忙しくてどうしようもない。年休すら取れない。やってられないヨ!」
サラリーマン社会では、これは嘆きではなく、間違いなく自慢である。
欧米人のバカンスはひたすらプールサイドで本を読んで過ごし、何にもしない事が多いが、我等日本人はそんな芸当は絶対に出来ない。
汗をかきかき、カメラを持って、あちらこちらの名所旧跡を数箇所観光する。
せっかくここまで来たのだから、行かなきゃ損!
バカンスで体を休めナガラ、一方では全く逆に汗だくになりナガラ観光も必死にこなす。

日本人ナガラ族の面目躍如である。