昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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三人の自殺

日曜日から月曜日にかけて三人の自殺事件ニュースを見る事になった。

日曜日、16歳のひきこもり高校生が、自殺サイトで知り合った40歳以上の中年男と、山で練炭一酸化炭素中毒自殺をしていた。
両親が、テレビカメラに写されながら、自殺に向かったと思われる山中で、大声で息子の名前を呼んでいたが、捜査開始二時間後に自ら掘ったと思われる穴の中で死んでいるのが発見された。
番組では、両親が、息子を死に追い込んだ自分たちの非を責めると同時に、息子を自殺に誘ったと思われる中年の男と、インターネット上の自殺サイトの存在を非難していた。
しかし、自ら死を選ぶほど現世に絶望している青年を、運よく自殺から救い出したとして、その後の人生を充実させることなどできるのだろうか?
「彼にとって、死ぬ事もまた自らの責任による選択だったのでは」と思いながら、テレビのインタビューに答える両親を見ていた。

月曜日昼、インターネットのニュースを見て驚いてしまった。
ZARDのボーカル坂井泉水(40)が病院の非常階段から転落死」と出ていた。
足を滑らせて転落と、一応事故と発表していたが、階段の踊り場から手すりを乗り越えて転落している事や、子宮頸ガン治療に苦しんでいた事から自殺との見方が強い。
青少年だけでなく、中年にも口ずさまれる数々の大ヒット曲を数々飛ばし、今秋にはアルバム発表や三年ぶりにツァーの計画があったらしいが、思うに任せぬ病気の回復状況が精神的な余裕を奪っていたのだろう。
「負けないで」は誰もが知るZARDの代表曲だが、まさに才能の溢れた歌手だっただけに、病魔にも負けないで、打ち勝ってほしかった。

三人目は、松岡利勝農水相(62)が28日正午すぎ、東京都港区赤坂の議員宿舎の部屋で、首をつっているのが見つかったニュースだった。
松岡農水相は、様々の疑惑にまみれた政治家だった。
緑資源機構の官製談合事件で、担当者が独禁法違反容疑で逮捕された公益法人「森公弘済会」も加盟する業界団体「特定森林地域協議会」の政治団体「特森懇話会」などから約1億3100万円の献金を受けていた問題を、野党が国会で追及していた。
松岡農水相は「政治資金規正法に基づき、適切に処理している」と強気の答弁をしていたが、この問題ではとても逃げ切れないとみられていた。
3月にも、議員会館事務所の光熱費をめぐる政治資金収支報告書への不透明な記載の問題で、「何とか還元水の購入」と支離滅裂な答弁を繰り返し、与野党双方から顰蹙を買った。
元々、露骨な仕官運動の結果、06年9月安部政権の農水相として初入閣した時から、「安部政権のアキレス腱」「政権の時限爆弾」と心配されていたが、疑惑の究明で午後の決算委員会での答弁を求められていた28日に、戦後の現職大臣としては初めて自ら死を選んだ事になる。

三者三様に自ら死を選んだのだが、彼らの死は一体何を解決したのだろうか?