昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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朝青龍になり替わりまして........

盆休みはひたすらテレビを見ていたので、朝青龍問題にすっかり詳しくなってしまった。

朝青龍の評判がよろしくない。
まとめると、
   仮病を使い、日本相撲協会の巡業をさぼったのに、モンゴルでサッカーに興じた。
   高砂親方に無断でモンゴルに帰国した。
の二点に尽きるのだが、今までの様々な素行の悪さも加わり、一挙に叩かれているとも考えられる。
「相撲取を辞めるべき」との厳しい意見も多かった。
産経新聞に至っては、「150kg近い力士にとって走る事は大敵なのに、サッカーなんて自覚が足りない」と、時代錯誤の悪口まで書いている。
朝青龍にとっては、友人の中田ヒデから誘われて、軽い気持ちでチャリティーサッカーへの参加したのが運の尽き、まさに朝青龍バッシング花盛りである。
最近では、親方の元朝潮や理事長の北の湖の優柔不断さまで問題になってきた。

朝青龍にとっては、今まで四年以上も一人横綱相撲協会を支えてきたのに、たったこれしきの事で謹慎四か月の処分は納得できないだろう。
モンゴルでは、「強いのが一番」と単純だが、日本では「礼儀」だの、「品格」だの、グローバルスタンダードでは訳の分らない理由で、品行方正さを要求されるのも、外国人にとっては面食らう部分だろう。

朝青龍が仮病を使ったことが問題を大きくしているが、相撲界では仮病は当たり前であり、調子を悪い横綱大関が休場する時は、診断の結果、ほとんどの場合わざとらしい病名が付けられている。
巡業をさぼった事は、「協会の公式行事をすっぽかした職場放棄」との批判も強いが、これとて今まで数多くの力士が、体調不良を理由に休場してきた。
別に朝青龍だけが、今回初めてサボったわけではない。
若貴だって、自宅療養に専念した事があったはずだ。
親方に無断で帰国だって、散々今まで繰り返してきて「見て見ぬふり」だったのに、今回は大問題にされた。

日本人は、己を押し殺し、ひたすら相撲道をまい進する白鵬の様な力士は大好きだが、朝青龍のように、自分の感情をそのままストレートに表現する人を嫌う。
いつまでもモンゴル人としての誇りを捨てない朝青龍よりも、日本人女性と結婚し、日本人になりきろうと努力する白鵬に親近感を持つ傾向が強い。
今回、敵役の朝青龍に比べ、理想的な横綱白鵬が誕生した事で、「朝青龍はもう不要」のような雰囲気も漂い、白鵬が全勝優勝で横綱昇格を決めた時には、朝青龍限界説まで流される始末。
朝青龍は、その翌場所、初日こそ不覚を取ったものの、残りを全勝し見事に21回目の優勝を飾り、満面の笑みを浮かべたが、内心は「ざまぁ見ろ!」だったに違いない。

そこに持ってきて今回の騒動である。
要は、今まで朝青龍の一人天下が続いていた事を快く思っていなかった多くの日本人にとって、今回の不始末は格好の攻撃材料であり、ここぞとばかりに朝青龍叩きに邁進しているように見えて仕方がない。

僕は、朝青龍は不世出の横綱の一人と思っている。
優勝回数だけではなく、技のキレ味やスピード感などは今までのどの力士よりも優れている。
ただ、単純な外国人アスリートなので、日本の複雑な価値観を理解できないし、分らないなりに分かったふりをするほどの器用さも持ち合わせていないのだろう。
そのような外国人横綱が、ふがいない日本人相撲取だらけの相撲界を支え続けたのは間違いない事実である。

白鵬横綱になったから、もはや朝青龍は不要とばかりの扱いは、排他的で移ろいやすい日本人の性格がよく出ている。

僕は、もう一度朝青龍の優勝姿を見てみたい。
朝青龍、頑張れッ!!!