昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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どこか憎めない、耐震偽造の木村社長

木村建設木村盛好社長。
東京地裁で詐欺と建築業法違反の罪に問われ、詐欺罪は無罪だが、懲役三年の有罪判決を受けてしまった。
しかし、もっとも悪質なのは姉歯建築士で、木村社長は構造計算書の偽造には関わっていなかった事から、執行猶予付きの判決となったらしい。

犯行が発覚後も、熊本弁訛りで訥々と無罪を主張していた木村被告は、どう見ても悪人には見えなかった。
今回の裁判では、木村被告が信仰する宗教団体に送った祈願書が証拠になってしまったのだが、これがあまりに実直な文面なので、どこか憎めず、つい微笑んでしまった。

木村社長は、手がけた「サンホテル奈良」に関して、国土交通省が調査に入った事に危機感を持ち、
「過去工事を調査されたら、木村建設がつぶれます。ヒューザーだけの調査、処分で終わりますよう。木村建設に飛び火しないようお願いします。」
と書いた祈願書をファックスで送ったらしい。
苦しいときの神頼みで、木村社長は居ても立ってもいられなかったのだろう。
しかし、木村社長が信じた神様は薄情だったらしく、本人の思いとは裏腹に、この祈願書が裁判で有罪の決め手となってしまったようだ。

木村社長は、同僚で同志だったヒューザーの小嶋社長がどうなろうと、自分だけは助かりたい一心で、神様に助けを求めた祈願書が、まさか自分の首を絞めるとは思っていなかっただろう。

まぁ、これも神様が「早く真人間に戻りなさい」との思し召しで与えてくれた試練と思ったほうがよい。
木村社長は、結果として明らかに耐震不足の建物を作り、一時的には金儲けしたのだから、やはり罪に服すべきだろう。
しかし、これほど自分の気持ちを直接的な表現で神様に告白する木村社長が、心底から悪人とは思えない。
すでに75歳となっている木村社長には、そんなに多くの時間的余裕はないだろうが、さっさと罪を認め、残った人生を有意義に過ごされる事を祈っています。