昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

オシム監督の容態

16日未明に急性脳梗塞で倒れたサッカー日本代表監督イビチャ・オシムの容態が心配だ。
依然として意識不明だと聞こえてくる。

脳梗塞の患者は数人身近にいる。
長嶋元巨人監督の場合も奇跡的な回復ケースだろうが、彼の超人的に強健な体力や意思をもってしても、再び勝負の世界の真っ只中に復帰できるような感じはしない。
僕の先輩の場合は、倒れた直後は目がかすかに動く程度で、果たして生き延びる事が出来るのかすら疑問視されていた。
しかし、意識を回復した後は、声が出ないので自由の利く左手で筆談でコミュニケーション。
次に飲兵衛の彼は、「もう一度カルビでビールを飲みたい」一心で、自力で食事へとリハビリが進んだ。
食べ物を飲み込む時の嚥下障害に長い間苦しんでいたが、これも克服。
更には、「もう一度ゴルフをやりたい」と、歩行訓練に取り組み、発病後10年たった昨年、ついにカートに乗りながらも1ラウンドを完全ホールアウト。
今や、完全に社会復帰を成し遂げた。
奥さん曰く、「一般的には颯爽と仕事していた時との落差を恥ずかしがるらしいが、主人は普通の人から見れば可哀想な療養中の病人の時も、人に会うことを嫌がらなかった。会う人ごとに自分の症状を包み隠さず話していた。」
このような彼の前向きの姿勢も、病気を克服できた原因のひとつらしい。

オシム監督の場合も未だ意識が戻らないのなら、ここから社会復帰までは遠く険しい道のりだろう。
客観的に見れば、ワールドカップ予選への監督復帰は困難だろう。
しかし、元気になってサッカーの試合を見に来てくれるだけで十分だ。
まもなく後任監督が発表され、オシム監督の描いた路線に沿って、日本代表はワールドカップを目指すだろう。

オシム監督の采配については、専門家の中でも毀誉褒貶がある。
セルジオ越後は批判派の代表で、「オシムになって何一つ得たものはない。今勝っているのは全て前任のジーコ監督の遺産だ」とこき下ろしていた。
しかし、素人目にも日本代表は間違いなく強くなっている。
懸案のフォワードも、高原のような世界で通用する人材も現れている。
何がオシム監督の成果なのか、明確な線引きは出来ないだろうが、今の日本代表が単に出場のための予選だけでなく、可能ならワールドカップの一次予選まで突破できれば、誰もが惜しむ監督の素晴らしさを認識するに違いない。

哲学者オシム監督の恩に報いる為にも、日本代表の快進撃を期待する。