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船場吉兆の「ささやき女将」頑張れ

この間の日本で、最も赤っ恥をかいた女性が船場吉兆の社長に就任した湯木佐知子女将だろう。

今や有名になり過ぎた謝罪会見で、息子の釈明セリフを隣でコソコソと呟いていたシーンが何度も何度も放映され、「親馬鹿、子馬鹿」の醜態を満天下に知らしめてしまった。

船場吉兆は自力での再建は不可能として16日民事再生法を申請、新たに問題の「ささやき女将」を社長にして再建を目指し、22日に営業を再開した。
ところが再開初日は、予約客で満席。
一部従業員の佐和子氏の社長就任反対の動きもあったが、まずは幸先の良いスタートとなった。

そして、この「ささやき女将」の挨拶シーンを見て、僕は今までの見方を変えた。
この人は根っからの商売人なのだろう。
何より、それまでは腰が曲がり、元気のない老婆の印象だった女将だが、店舗前に立った姿が実に凛凛しいのだ。
まず、キチンと謝罪した後、客に挨拶をする姿は、いかにも名門店舗を引き継いだ責任感が溢れていた。
街頭で、テレビのインタビューに追っかけられ逃げ回っていた時の印象とは全く違った女将がそこにいた。

また、後に単独インタビューにも応じていたが、その時の受け答えは実に率直で、自分の非を認め、恥じらい、そして今後への決意も述べていた。
彼女によると、「自分のささやきをあんなに精巧に拾うマイクがあるとは思わなかった」らしい。
また、「隣にいるのが自分の息子でなくても、自分は世話好きだからきっと同じ事をしただろう」とも述懐していた。
馬鹿息子になってしまった先代社長の息子についても、「決して言われているようなマザコンではない。むしろいつも自分が叱られている」とかばっていた。
インタビュアーが「それはそれで微笑ましい光景とも言えるが」と水を向けると、「初めて言われました」とうれしそうな恥ずかしそうな笑顔を見せていた。

今まで、船場吉兆の危機管理は最悪で、特に創業者意識を捨てきれない「ささやき女将」はどうしようもない強欲女と思っていたが、実は、お客から好かれる可愛い女性ではないのだろうか。
でなければ、あれだけ社会の非難を浴びた店が、再開後すぐに満席になるなど考えにくい。

もう、どん底で地獄を見たのだから恐れるものはない。
名門、船場吉兆を見事に再建し、迷惑を賭けている債権者に全ての借金を返せるよう頑張ってほしい。
「ささやき女将」頑張れ!