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天網恢恢、光市母子殺人事件犯人に死刑判決

犯行当時18歳だった光市母子殺人事件の犯人Fに対して、広島高裁は予想通りに死刑判決を言い渡した。
僕は判決が出るまでは、一切同情の余地がない犯人Fへ死刑判決を強く望んでいた。
判決の後、被告が被害者遺族の本村洋さんに向かって一礼したと報道されたが、今まで謝罪の気持ちがないと言われ続けただけに、何故もっと早くこのような姿勢を見せる事が出来なかったのかと思う。
どんなに憎むべき犯人と言えど、やはり実際に死刑判決が出ると重たいものがあり、「ざまあ見ろ」とか「良かった」とは簡単に言えない気がしている。

今回は、最高裁からの差し戻し控訴審として、「死刑を回避するに相当する何らかの理由があるか」が争われたものだが、犯行の残虐さだけでなく、犯人に真摯な反省がない事も死刑判決の決め手となった。
この事件では、被害者遺族の本村洋さんが、冷静沈着且つ理路整然と犯人に厳罰を求め続けた姿勢への共感が多かった事と、最後の最後に死刑判決を避ける為に犯人の弁護団が展開した、馬鹿げた奇妙奇天烈な論理展開が話題となった。
しかし、せっかく練りに練ったと思われる弁護団の主張は、今回の判決で「著しく不自然、不合理」と切って捨てられ、かえって社会の反発を招く結果となってしまった。
そもそも、それまで認めていた殺意について、被告が控訴審で突然否認に転じたのも、全て弁護団の差し金と見られているが、むしろ従来よりも論理的にも死刑判決が必然になってしまい、明らかに弁護団の作戦が失敗したと言わざるを得ない。

犯人Fは、当初少年法により死刑判決はあり得ないと思っていたようだが、最高裁で差し戻された途端、心底死刑を恐れ、死刑制度反対の大弁護団を組織した。
しかし殺害の理由を、荒唐無稽に「母親と思い甘えたかった」とか、「押入れに赤ん坊を隠したのはドラエモンのポケットと思ったから」とか言われたら、どんな許容の心が大きい人だって犯人を許す気持ちにはなれないどころか、弁護団への強い不信感をもってしまうだろう。

世の中には、一定程度の死刑制度反対の勢力が存在しているが、今回の犯人Fが必死に死刑逃れを画策したところを見ると、やはり死刑制度が犯行の抑止力になっていると判明した事になる。
死刑逃れに悪あがきを仕組んだ弁護団によって、かえって死刑判決を招いてしまった事と、そんな弁護団に自分の運命を委ねた犯人Fの行動こそ、「天網恢恢疎にして漏らさす」を証明したものと思う。
この事件で、明らかに事実を歪曲した控訴審の大弁護団は、その甘言に乗ってしまい反省のタイミングを逸した犯人Fよりも罪が深い。