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胡錦濤主席が日本歴代首相を謁見!

昨日、来日中の胡錦濤中国国家主席ホテルニューオータニで、中曽根康弘海部俊樹森喜朗安倍晋三の日本歴代首相と朝食会を開いたが、これはまさしく謁見そのもので、胡錦濤は4人の元首相を、「在任中は日中友好の発展のために積極的な努力をした」と賞賛したという。

日本側首相達のそれぞれのリアクションが面白い。
先ず、日中冬の時代を演出した小泉純一郎は最初から欠席。
「せっかくの日中友好ムードに水をさす事を遠慮したのでは」との好意的な意見や、「参加して中国を批判すべき」との意見があるが、招待を無視したのは彼なりのパフォーマンスだろう。
主宰した長老中曽根康弘は、無難に今後の友好関係樹立を訴え、胡錦濤の来日意義を高く評価した。
今回最も目立ったのは、歴代首相の中でも最もみっともない形でリタイアした安倍晋三
彼は、敢然と胡錦濤が触れてほしくないチベット問題とウィグル問題に注文をつけた為、一気に会食の雰囲気が気まずいものになったらしい。
彼と意見を同じくする右翼の論客評論家櫻井よしこが、つい先日の朝刊で福田首相宛てに大々的な意見広告を発表、胡錦濤に対して「決して妥協する事なく日本側の主張をするよう」訴えていたが、安倍がそれを実践した事になる。
そこで、おもむろに調和型の森喜朗が登場、「日中が協力してアジアをまとめよう。日本オリンピック委員会の理事として北京オリンピックの成功を祈っているので、2016年東京オリンピック招聘に協力を」と、巧みにゴマをすりながらも、チャッカリ見返りを要求。
殿に登場した海部俊樹は、「東シナ海のガス田問題がだんだんよい方向で進んでいる」と、昔と全く変わらない能天気ぶりを披露しているが、一体全体、東シナ海ガス田問題の何がどう良くなったのだろうか?
大中国の国家主席を前に、揃いも揃って謙り阿り、ご機嫌を伺う日本の歴代首相達。
わずかに嫌味に欠席した小泉純一郎と病み上がりで捨て身の安倍晋三だけが、遠慮がちながらも自己主張したようだが、後の連中は、胡錦濤が仕掛けた「暖かい春の旅」の忠実な共演者と化している。

しかし胡錦濤来日は、今のところ日本側にとって何一つ具体的な成果をもたらしていない。
環境問題、ガス田問題、人権問題、毒ギョーザ問題、北朝鮮拉致問題、日本常任理事国承認への協力、チベット騒乱解決。
日中間に横たわる様々な問題に対して、胡錦濤は表面的リップサービスをするが。決して肝心の言質を与えていない。
与えたのは、パンダ二頭の貸し出しだけ。
一方、現在の中国にとって最大政治イベントである北京オリンピックへは、日本側の全面協力を引き出した。
さすがに、生きるか死ぬかの権力闘争を勝ち抜いてきた中国の指導者だけに、半端に軟弱な日本の首相経験者に比べると、一枚も二枚も上手なタフネゴシエーターだと痛感してしまう。