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駄目を押すのは悪い事なのだろうか?

朝青龍白鵬の因縁が、妙な方向に行ってしまった。

朝青龍は、明らかに勝負がついた後、白鵬に駄目を押した。これは間違いない。
それにムッとした白鵬が肩で朝青龍を押し返したのが事件の発端。
北の湖理事長が「白鵬が悪い」と断言した事に、横綱審議委員の、例の白鵬贔屓の内館某が、「朝青龍流の駄目押しが悪い」とイチャモンをつけたらしい。(内館本人が喋っていた)
一方、前日まで「あれは勝負の流れで、駄目押しではない」と、朝青龍を擁護していた北の湖理事長も、結局「土俵上で睨みあったのが悪い」と、結果は喧嘩両成敗。
いずれの側も、「駄目押しは良くない行為」と認識している。
因みにインターネットのアンケートでは、圧倒的に朝青龍に分が悪い。
朝青龍がたびたび駄目を押す相撲を取ることが、不人気の原因のようだ。

しかし、勝負事では勝った後に駄目を押す事は当たり前だ。
囲碁や将棋の大勝負の後には、必ず感想戦がある。
この時に、勝った方がおおらかに負けた相手に花を持たせるかと言えば、必ずしもそうではない。
本当に強い棋士は、本戦で勝ち、感想戦でも勝つ。
そうする事で、相手が自分に苦手意識を持てば、次回以降も有利に試合を進める事が出来る。
相撲も同じで、今場所勝てた相手に来場所も勝てる保証がないのなら、少しでも強さを見せつけて、苦手意識を持たせる事も大事な戦法となる。
だから、勝った後でも確実に勝ち切る為に、強く駄目を押す事は認められるはずだ。

日本では、謙遜や謙譲が美徳と思われている。
勝った人は、負けた人を慮り、相手を称える事を良しとする雰囲気が強い。
しかし、勝てば官軍、負ければすべてを失うのが勝負の世界。
もっと厳しく、「止めを刺す」とか「水に落ちた犬を打つ」とか、敗者に同情する事で次回負けてしまう事を諫める言い方もある。

朝青龍白鵬も、裸一貫の勝負の世界に生きている。
それを、「横綱の品格」と言う極めて曖昧な観点から、駄目を押したからとか、反撃したからとか、いろいろと文句を言っても、外国人には理解できないだろう。
そんな外国人の相撲取りの存在で相撲人気を維持してきながら、「国技だから」と言って日本的価値観を強制する。
相撲が国際化しないのなら、外国人を全て排斥し、弱い日本人だけで運営するしかないし、その時にはどれだけのファンが残るのだろうか。

残念ながら、今後の日本では経済界でもスポーツでもあらゆる分野で、国際化出来ないものは廃れていくしかない。
僕は、来場所の千秋楽で、闘志をむき出しにした横綱二人の激突が今から楽しみにしている。