昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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原油高と物価高の大矛盾!

原油価格の高騰が止まらない。
100$を突破したのは今年の正月、わずか半年で約50%もアップし150$に近付いている。
OPECが「25$前後がバスケット価格」と称して、原油価格を落ち着かせようと操作していた頃から数年しかたっていない。
様変わりもここまで来ると、何をどう対処すればいのか右往左往するばかりだ。
当然ながら、あらゆる物価も上昇する。
今年に入って食糧危機まで併発し小麦価格が高騰、食料品が上がり始めている。

竹中平蔵という経済学者がいる。
参議院議員でもあり、小泉純一郎が首相だった時の内閣府特命担当大臣(金融担当、経済財政政策担当)、総務大臣を歴任したオトコだが、彼は原油高に対して、「原油が上がればコストも上がるが、企業がその分を全部製品価格に転嫁すると物価が上がってしまうので、少し辛抱すべき」と、まったく能天気な事を喋っていた。
しかし、民間企業にはそんな余裕はない。
全員が必死になって、自社製品の値上げに努力中のはずだ。
ところが、基本的に製品価格はコストではなく需給関係で決定される。
いくら原油価格が上がっても、その分全部を価格転嫁できる事はない。
必死に値上げ活動を行うのだが、もはや限界に近い。
一番典型的な例がガソリン価格だ。
4月に道路税制がどうのこうのと大騒ぎして、ほんの一時期価格が下がったのはもう遥か昔、5月以降毎月上がり続け、とうとう7月には180円を突破してしまった。
こうなると、誰もが無駄遣いを避けガソリン需要は激減する。
一番困ってしまうのがガソリンスタンドで、仕入れ価格は原油高から上がり続けるが、肝心のガソリンは売れなくなってしまう。

1973年、1980年に発生した石油ショックの時代は、物価は大幅に上がったが、まだ給料もソコソコに上がる余裕があった。
しかし、今や収入の方は年金も含めて目減りする事はあっても上がることはない。
生活がドンドン苦しくなるのだから、あらゆる物を買わなくなってくる。

ところで、原油は上がっているのはファンドの流入が主原因らしい。
我々が汗水たらしながら積立てた年金基金が、株や土地への投資から原油に方向転換している。
何の事はない、自縄自縛の構造なのだ。
我々自身が知らない内に原油高に関与し、その結果物価高を引き起こし、自分の首を締めあげている。
これで何かの拍子で原油が暴落でもしたら、今度は積立てた年金運営があやしくなってくる。
どうやら年金などに頼っていると、とんでもない目に遭いかねない。
タンス預金が一番のような気がする。