昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

戦争は終わらない

北京オリンピックの真っ只中、グルジア対ロシアが武力衝突した。
既に死者は2千人を超えているようだ。
戦況が不利なグルジアは撤退宣言をしているが、ロシアはこの際とばかりに攻撃を継続した。
背後にグルジアを支援するアメリカの影もあり、世界中が緊張している。
皮肉にも、ちょうど日本では長崎原爆の日で、原爆の廃絶と戦争のない世界実現の集会が開かれた。
戦争は、当事者の双方に悲惨な結果を引き起こす。
誰もが「戦争なんてなければ良い」と思っているに違いない。

しかし、戦争は紛争解決の最終手段だ。
その為人類の歴史が続く限り、残念ながら戦争は決してなくなる事はない。
人類は、自分の宗教をまもる為、民族古来の領土を守る為、思想信条の為に、常に隣人達や隣国と緊張関係を続けてきた。

揉め事が起きると、当初は話し合いや第三者の調停で何と解決しようと努力する。
しかし妥協出来なくなると、意見を通す為に最終的には武力による解決を求めてしまう。
自分の利益を守り主張を通す為には、否応なく相手を屈服させざるを得ない。
また現実を見ると、強さを実証するものが核兵器の存在となっている。
北朝鮮が五カ国を相手に互角の外交駆け引きに成功したのも、核兵器の切り札だった。
利害が相反し、民族が入り乱れ、信じる神々が違う集団が存在する以上、これが悲しい現実だ。

日本のように、「戦争はいけません。核もいけません」と念仏のように唱えていれば平和になるような幻想は、世界の常識ではない。
皮肉な逆説だが、平和を実現する為には核兵器を所持し、戦争に勝ち抜いて、自分の価値観が通用する社会を作るしかない。
話し合いで解決出来る問題など高が知れている。
トラブルが難しくなればなる程、その為の解決手段が戦争になってしまう。

数え切れないほどたくさん戦争や核兵器による悲惨な体験を経ながらも、未だに武器によってしか自分達の正しさを確認出来ないなんて、国際政治が如何に難しいかを表すと同時に、人類が持つ業の深さを感じざるを得ない。