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バラク・オバマ44代大統領への幻想

47歳の若さ、初めての黒人大統領誕生!

今回のアメリ国民の選択は、アメリカ型民主主義の成熟と好意的にとらえられている。
オバマが地元シカゴで行った勝利報告会には20万人以上の聴衆が押し掛け、ケネディ以来の名演説だったと評判がいい。

Change the World!

オバマが選挙期間中繰り返したキャッチコピーで、すっかり有名な文句になった。
多くの人が、新しい大統領の時代を期待している。
しかし、残念ながらアメリカの与党政党が共和党から民主党に変わり、大統領がジョージ・ブッシュからオバマに変わっても、世界では恐らく何ら変化は見えないだろう。

世界唯一の大国アメリカは、今や凋落の一途。
アメリカの最新鋭武力でも、イラク一国すら平定できない。
サブプライムローンのツケは、解決までに10年かかるとも言われている。

今回の黒人大統領出現で、アメリカの人種差別も薄らぐとの楽観論もある。
しかし、肌の色の違いへの格別の思いは、アメリカ人のDNAとも言える。
アメリカでは、カラードと白人は一目瞭然。
初めての黒人大統領誕生に、常に暗殺の懸念が付きまとうのがアメリカの現実だ。

逆説的に言えば、あの明るく豊かだったアメリカが、「Change」と叫ぶ黒人候補に期待せざるを得ないほど追い込まれている。

経済面で、オバマは何をしようとしているのか見えてこない。
伝統的な民主党の政策は保護主義で、自由貿易には反対が多い。
既に断末魔とも言われるGMは、オバマ大統領からの支援を当てにしている。
もしそうなると、アメリカへ輸出する事で潤ってきた各国の経済回復は遅れてしまう。

ブッシュを否定する事でアメリカ人の支持を得たオバマは、イラクからは撤退するらしい。
しかし、何故かアフガンへの派兵は強化する積りらしいので、アメリカがイスラム原理主義の攻撃の対象となる事に変わりはない。

爽やかなイメージをまき散らすバラク・オバマだが、カリスマ的な彼の力を持ってしても、世界中に拡大した経済危機を乗り切る事は出来ない。
厳しいようだが、そう思っていた方がよい。