昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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内定取り消しはいい事ではないが……

またまた最近の風潮で、企業の就職内定取り消しに非難が集中している。
ついには麻生首相や舛添大臣までが、「悪質企業の名前を公表する」と力み返っている。

確かに、就職氷河期と言われる昨今、必死の思いで内定を掴み取ったのも束の間、たった一枚の紙きれで内定を取り消された若者のショックは大きいのはよく分かる。
しかし、冷静に考えて欲しい。
内定を取り消すような先のない会社に勤めて、何になるのだろう。

企業にとって、内定取り消しの通知を出すなんて赤っ恥もいいところだ。
しかも、この時期に「血も涙もない」と世間の全てを敵に回す事になってしまう。
出来る事なら、そんな事態は避けたいに違いない。
しかし、あの世界的な大SONYだって、正社員を含む16千人を解雇せざるを得ない状況なのだ。
背に腹は代えられない。
来年からの新たな戦力への配慮などの余裕がなくなり、とにかく会社を少しでも長続きさせる為の苦肉の策が内定取り消しに違いない。

マスコミも政治家もパフォーマンスからか、過剰なほどの同情を見せているが、派遣社員を解雇したり内定取り消しをする企業もまた、相当追い込まれた状態になってしまっている。
現在の経済状況は、一般的な正義心や義侠心で乗り切れるほど甘いものとは思えない。
麻生政権の政治もまた、今の苦境を乗り切れるような適切な手立てを期待できるような雰囲気ではない。
であれば、ここは一番、ひたすら耐えがたきを耐え、忍び難きを忍ぶ方策しかない。
このままでは、間もなくあらゆる企業で経費削減から始まり、次には人員解雇の嵐が吹き荒れるような事態となるだろう。

今や、企業にとって正社員の雇用すら危うくなっている。
言い換えれば、ほとんど後がないところまで追い込まれているから、恥も外聞もなくなってしまっているのだ。
そんなところに入社したって碌な事はない。

むしろ、入社後数年で会社が行き詰ったら、如何ともし難い。
内定取り消しで踏ん切りがついたと前向きに考えた方がよい。
もしくは、内定を取り消すような会社に自らの将来を委ねようとした事を、結果として避ける事が出来た事を僥倖と思った方がよい。