昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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派遣社員解雇はケシカランと言っても……

派遣切りが問題になっている。

世界的な大不況下で、特に自動車関連で大量の派遣社員が解雇されたので、企業の責任を求める声が高まっている。
急遽、派遣社員が組合を作り不当解雇反対を訴え、マスコミも企業の身勝手を非難している。
民主党もまた、派遣社員の保護を政策として提案する積りのようだ。
年末も押し詰った中、たった一枚の紙きれで解雇され、且つ社宅からの退去を求められた派遣社員達には同情の念を禁じえない。

しかし確かに可哀そうとは思うが、企業の立場になれば、やむを得ない措置とした言いようがない。
解雇された派遣社員は、不当解雇と主張している。
不当解雇なら問題解決は早い。
解雇した企業が裁判に訴えられたら、あっさりと決着がつくからだ。
しかし、日本を代表する自動車会社がそんなヘマをするとは思えない。
想像で言って申し訳ないが、恐らくは会社側に法的には何ら落ち度はないものと思われる。

元々企業において、正社員と派遣社員には歴然とした差がある。
そして派遣社員を雇用するのは、不況になった時の人員削減策を採りやすい事が大きな理由となっている。
派遣で雇用される側には、今働いている職場がいつまでも確保されるわけではないし、雇用する側も重要な部門を任せるわけにはいかない。
雇用された派遣社員も、その事は充分に分かっていたはずだ。
ただ、ここ暫くの間、世界中の経済はバブル景気に浮かれていた。
現に、今回最も大量の派遣社員切りを実行している自動車会社も、ここまで急速に業績が悪化するとは思っていなかった。
しかし、日を追うに従い車の売れ行きが落ちる一方だ。
かくなる上は、あらゆる経費を削減するしか方法がない。
そしてどんな企業も、その最初の一手を派遣社員を減らす事から始める。

本来、派遣社員による労働力確保が良い制度とは思えない。
いつでも解雇できるような労働条件で多くの派遣社員達が働いてきた制度は改善するべきとも思う。
しかし、てっとり早く金を稼げる気楽さと、いつでも解雇できる便利さから、両方にメリットがある為、派遣社員の数は増え続けてきた。
今の制度下では派遣社員の立場は非常に弱い。
その様な悲惨な境遇に落ちた派遣社員達が、解雇を通告した企業に文句を言いたい気持ちは分かるが、それはやはり筋違いだろう。
彼らは、自分と直接雇用契約している派遣会社に対してこそ、今後の職場確保を要求すべきだ。