昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

トヨタの町、名古屋の灯が消えそう

先週、久しぶりに名古屋に出かけた。
前回訪ねたのはおよそ半年ほど前で、トヨタの業績にやや陰りが見え始めてはいたものの、まだまだ町中に元気があった。

しかし、今回はまるで雰囲気が違う。
ちょうどトヨタが経費削減の為に接待禁止令を出した後だった為か、夜の飲み屋の客足が極端に減っているようだ。
接待費を減らす事でいかほどの効果があるのか分からないが、あのトヨタを持ってしても、とにかく何でもいいから合理化を検討しなければならないほど収益が悪化している。

つい先日までのトヨタは世界一の自動車メーカになる直前で、その経営方針は賞賛の嵐の中にあった。
日本中の企業が、トヨタ生産方式を真似ていた。
まさしく日本のエクセレントカンパニーの代表がトヨタだった。
そのトヨタですら、車の販売不振に喘いでいる。
ガソリンが元の価格に下がっても、車の購買意欲は衰えたままだ。

悪い事に、トヨタカンバン方式も足を引っ張っている。
寸分の狂いもなく部品を納入するため、納入業者はどうしても在庫を多く持っていた。
ところが一気に、しかも急激な生産調整になったので、手持ちの在庫をさばき切れていない。
一昨年のトヨタの利益は1兆6千億円、昨年はさらに上向き2億4千億円、今年は6千億円と中間発表されたが、その内の5千8百億円は上期の実績、下期はわずかに180億円の見込みらしいが、それすら達成できないと下方修正される。
今回の不況がいかに厳しいものかを表している。
この十年間、日本だけではなく世界中から羨ましがられたトヨタの快進撃を知る者としては、あまりの様変わりにただただ驚くばかりだ。

株価の低迷も痛い。
企業や銀行の持ち株評価損が大きくなり、積極的な設備投資も出来ない。
また、今回の不況の発信源アメリカではビッグ3への支援策がまとまらない。
その為、日本の株価がさらに下がり、円高が進行していくとの悪循環に陥っている。
あらゆる企業の想像の域を超えて、不況が現実のものになってしまった。

このままではトヨタと共に隆盛を極めてきた名古屋市内の多数の飲食店が行き詰るのでは、との不安が囁かれていた。
こんなドン底の日本経済回復の起爆剤は一体何なのだろう・
その答えが見つからないまま、不況だけがドンドン深刻になっている。