結果が悪いから言うわけではなく、もともと現在の阪神の低迷は容易に想定出来た。
真弓新監督は阪神の監督が勤まる器ではない。
真弓明信は、太平洋クラブライオンズに入団した後、阪神タイガースにトレード。
甘いマスク（？）と、ホームランの打てるリードオフマンとして大成功をおさめた。
現役引退後近鉄のコーチとして、「ハンサム内閣」と称して梨田監督、小林繁ピッチングコーチと共にバッティングコーチを勤めた後、関西地区で野球解説者をしていた。
しかし、監督の経験など全くない。
そんな彼を、阪神球団は何をどう間違えたのか、名将岡田彰布の後釜に据えてしまった。
岡田は昨年、巨人に歴史に残る大逆転を喫し責任を取って退任したが、歴代阪神監督の中でもトップクラスの監督と評価されている。
その後任の真弓新監督は福岡のＹ高校出身だ。
この高校、今でこそ優れたスポーツ選手を輩出する事で知られているが、その昔は有名な単なる不良の溜まり場高校で、真弓はまさにその頃の在校生。
野球を理論的に説明する「学力」があるとは思えない。
また選手時代の真弓は、難しいチームプレイにはまるで無縁、とにかく打つだけのトップバター。
同僚との連携やチームへの犠牲的精神など、考える必要がまるでない立場で選手生活を送った。
彼の野球解説は、他の解説者に比べても単なる精神論だけで、まるで深みがなかった。
近鉄時代のコーチとしての実績も、何ら聞こえてこない。
そんなキャリアの彼が、名門阪神タイガースで、しかも初めて監督としてチームを率いる事になった。
悪い事に阪神ファンは、真弓が監督としてじっくりと成長する事などまるで期待していない。
ひたすら即刻の結果を求めている。
今年の阪神に対して、昨年巨人に喫した大逆転の屈辱を晴らし、セリーグ制覇だけではなく、果ては今年の日本一まで期待して熱烈に応援している。
そんな期待に、監督一年生の真弓が応えきれるはずがない。
最弱球団横浜がいるからセリーグ五位で済んでいるが、本来なら間違いなく最下位だろう。
早稲田大学卒業の岡田と学歴の差は関係ない。
どうせ岡田だって、大学で自慢できるほど勉強したとは思えない、
しかし現場監督としての監督は、酸いも甘いも噛み分け、時には嫌われ役までかって出なければならない。
当然、誰もが認める知識とリーダーシップ、いかなる非難にも耐えうる精神力が求められる。
真弓は選手としては一流だっただろうが、監督としてはそのいずれも欠落している。
阪神タイガースは、短期間でコロコロと監督が代わってしまう事でも悪名をはせている。
残念ながら我らが真弓新監督も、先例を脱する事が出来ず、極めて短期間監督で終わりそうだ。
