昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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電車で席を譲られた

先日、仕事の都合で顧客へと直行した。
通常は駅でおおよそ20分近く始発電車を待ち、必ず座って通勤しているが、この日はやむを得ず一番早く来た電車に飛び乗った。

当たり前に、席は空いていない。
吊革に摑まり、やおら英会話の勉強を始めようとしたら、すぐ前の若者がスッと席を立った。
「あれ、なんだろ?」と思ったが、彼は「どうぞ」のジェスチャーで自分の席を譲っている。
嬉しいやら、照れ臭いやらで、すっかり面食らってしまったが、彼の若者にすれば親切心だろうし、今時周囲に配慮してくれる若者は化石のように少ないので、「どうも」と感謝の気持ちを伝えて座った。

座ってはみたものの、とうとう自分が席を譲られる年になった事に複雑な思い。
彼の若者は、当方の年齢を知っているわけではない。
普通に推測するに、当方の外観から「席を譲ってあげよう」と思い至ったのだろう。
とすれば、当方はトシヨリに見られた事になる。

自分では、まるで自覚はない。
「まだまだ若々しい」と自惚れる積りはないが、それでも席を譲られるほどに老けているとは思わなかった。
むしろ電車でトシヨリを見つけると、スックと立ち上がり、徐に「どうぞお座りください」と席を譲ってきていたのに。

ちょっと、どころか、大いにショック。

「彼はたまたま次の駅で降りるので、少し早目に席を立ったに違いない」と勝手に解釈する事で自分を納得させたが、彼の親切若者はその後もズット当方の前に立ち尽くしていた。

マァ、そんなもんかも知れんな。
別に若く見えなくてもいイイヤ。
席を譲ってもらう方が楽だもんな。

とは言え、トシヨリが前にいても居眠りして気付かぬふりをする馬鹿モノが多い中、チリチリ頭に破れジーパンと、見てくれこそ軽薄そのものだが、トシヨリを労わってくれる若者がいるとは、まだまだ世の中捨てたもんじゃない。

しかし、「俺はトシヨリじゃないぞォ~!」と、心の中で絶叫した。(ムッ、もう充分トシヨリか???)