昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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やっぱり森田健作じゃネェ

久しぶりに「俺は男だッ!」を見た思いだった。
森田健作が唇を震わせて「ジョーダンじゃない、千葉は怒りますよ」と叫んだのは一昨日。

最近何かとお騒がせな前原国交相が、羽田を24時間稼働のハブ空港に」と発表した事に対して、成田空港のある千葉県知事としては当然の発言だ。
何せ成田には凄惨な歴史がある。
空港反対運動は社会現象にまでなり、双方に複数の死者まで出したながら、長く苦しい経緯を経て1978年にやっと開港にこぎつけたものだ。
当時から、「利便性から羽田空港をハブにすべき」と言われていたが、それも全て羽田空港には既に拡張の余地はなく、また民家に近く騒音問題が発生するので24時間稼働は不可能との結論で、敢えて不便な成田に国際空港を強行開港したものだ。
三里塚農民の「俺が苦労して開墾した土地を奪うな」との主張には、結構支持者が多かった。
今でも成田空港の隣には反対派の土地があり、その為成田に着陸した後でもクネクネと時間をかけながらスポットに到着するので、大変時間がかかる。
日本最大の国際空港がこの有様では、シンガポールチャンギ空港や韓国の仁川空港に見劣りすること甚だしい。
また、成田空港から都心へのアクセスも時間と金をかけざるを得ないのが実態で、決して便利な空港とは言えない。

何とかしないと日本が国際社会から遅れをとるのも間違いないので、前原国交相の見識は正しい。
しかし、誰もが認めるその考えが長く実行されなかったのにも理由がある。
少し前だが、扇千景大臣も「羽田が便利だから」と、国際線を羽田に持ってこようとして大反発を食らった。
成田開港にあまりにも無理をした結果、今更千葉県を説得できないとの見方が一つ。
一番のネックは、羽田空港の拡張と騒音問題で、これは全く以前と変わらない。
民主主義国家の日本では、海外で実施した強制的な土地収用や、転居の強制はできない。
羽田空港が便利なのは都心に近いからであり、その都心にはどの空港の近くよりも大量の人々が生活している。

僕自身、一時期空港の近くに住んだ事があるが、飛行機が着陸する時の騒音は経験した事がない人には絶対に分からないほど不愉快でストレスになる。
だからこそ現在は夜間の離発着を禁止しているのであり、もしも羽田が24時間稼働になれば、空港近くの人達にとって一日中騒音に悩まされる生活は耐えられないと思う。

話を戻せば、森田知事は「誤解が解けた。国交省は国際線は成田、成田と羽田を一体運営と明言した」と安どしていたが、前日の前原は「国際線は成田、国内線は羽田の見方を変える」と発表している。
前原が考えているのは、
・成田は都心から遠く不便なので、日本のハブ空港としては不敵
・一番便利な羽田をハブ化し、国際線乗り入れを可能にする
と、単純明快な物で、成田との一体運営とはリップサービスにすぎない。
百歩譲って、成田にも国際線の便が残るとしても、主要な物は全て羽田で離発着する。
成田は、国際線のローカル版だけが残る事態は避けられない。

森田知事は、前原国交相との会談後は破顔一笑
すっかり上機嫌で、前日の怒りは全て雲散霧消していた。
しかし千葉県民、とりわけ成田市民には、前日森田知事が放った「ジョーダンじゃない」状況の何一つ解決されたわけではないのだ。
千葉県民は、パフォーマンス最優先しかなく、ひきつった馬鹿笑いを繰り返すだけの森田県知事を選んだ事を、今更のように悔やまなければならない。