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沖縄基地返還問題を考える

アメリカのバラク・オバマ大統領が来日した。
この二日間の都内はそれなりに厳戒態勢だったが、数十年前だったら学生たちが大挙して反対運動で騒いだだろう事を考えると、時代が変わった事を痛感する。
福井県小浜市の一行が、シャレでTシャツと幟での歓迎を企画していたようだが、路上でアメリカの国旗を打ち振る歓迎風景もなく、極めて平和で静かな世界最大VIPの来日光景だった。

今回の日米首脳会談で最大の問題は、沖縄普天間基地返還に関わる交渉だったはずだが、玉虫色の訳の分からない内容で、まるで同床異夢を絵に描いたような結論だった。
それはそうだろう。
民主党は出来もしない公約を掲げたのだし、アメリカはアジア軍事作戦の拠点としての普天間基地を返還しようなどとは考えていないはずだ。
今回は両首脳とも、日米の対立が表面化するのを避ける為友好ムードを醸し出す事に腐心したようだが、単に問題を先送りしただけにすぎないし、今後いくら話しあっても平行線をたどるしかないだろう。

つい最近ひき逃げ事件があったが、過去にもアメリカ兵が引き起こした事件も多く、沖縄県民が米軍基地の沖縄県外への移転を希望する気持ちはよく分かる。
太平洋戦争でも沖縄が戦場となり様々な悲劇的な出来事が発生したので「何故、いつまでも沖縄だけが犠牲になる」との不満が強いとも聞こえてくる。
沖縄に米軍基地が集中している事で、沖縄県民に犠牲を強いる形になっている事は異論を待たない。

しかしもしもアメリカ軍がすべて沖縄から撤去したら、沖縄経済はどうなるのだろう。
実は沖縄は決して裕福な県ではない。
島内には有力な産業があるわけではなく、観光と米軍基地に依存する経済構造になっている。
綺麗事ではなく、実は沖縄はアメリカ軍がいなくなると一気に収入源が半減してしまう。
そんな経済のはずだ。

アメリカは沖縄から出ていけ!」は勇ましいスローガンで、日本国民の心をとらえている。
しかし沖縄県民以外はNIMBY(Not In My Back Yard)症候群であり、沖縄へ同情はするが自分の所に移設されても困ってしまう連中ばかりだ。

単に感情的に同情するだけでなく、沖縄基地返還は経済と国防問題である事をも理解するべきだ。
基地がなくなった後の沖縄経済と、アメリカ軍のいない国防と、その両方の問題が解決されない限り、民主党がいくら「オバマ大統領は話が分かる人だから、その内に基地が返還される」かの如く楽観視しても、絶対に普天間基地移設問題は解決できない。