昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ゴッツアンです!

当方には予想外だったが、とうとうNHKの相撲中継も中止になった。
最後の最後まで外部からの理事長代行を拒否しようとした、相撲協会の体質が不満らしい。
「そんなの今に始まった訳じゃない」とも思うが、やはり弱り目に祟り目、日常的に恒例だった博打や暴力団との付き合いが問題にされたら、相撲協会は進退窮まる。
武蔵川理事長は記者会見で、「この際、全ての膿を出し切る」と説明していたが、考えてみれば今の相撲界は全て膿ばかり。
膿で構成されているような社会だから、それ出し切ったら何も残らない。
NHKの放送中止理由が相撲協会の体質にあるのなら、二度と放送再開が出来ないほど根が深い。

相撲協会には、お茶屋制度、年寄株取得、タニマチ、ゴッツアン体質と、どうにも直しようのない宿疴の病に冒されている。
お茶屋は、まさに「山あり谷あり」だった大相撲を長年に支えてきた支援団体で、当然のように既得権があるが、これが不透明相撲界の象徴のように利権が錯綜している。
年寄は、相撲取りが求める究極の地位で、その権利は極めて高額で取引されている。
相撲取りが年寄株を入手する為に金策に走り回り、タニマチに縋る。
タニマチには純粋に相撲を愛する人もいるが、当然何らかの目的を持って相撲取りに近づく輩もいる。

そして最も改善不可能なのが、相撲協会全体のDNAそのもののゴッツアン体質だろう。
何せ、相撲取りは一切自腹を切らない。
全ての接待や贈り物に、「ゴッツアンです」で片付けてしまう。
5日月曜日、NHKが「大相撲は変われるか」の特集を放映した。
その中で、いかに暴力団が相撲取りに近づくかの手口が紹介された。
タダ飯、タダ酒、タダ女で親しくなり、博打に誘い込むのだそうだ。
相撲取りにすれば、近づいてくるタニマチが暴力団かどうかなど分かろうはずもなく、「ゴッツアンです」を繰り返すうちに、完全に取り込まれてしまう。
武蔵川理事長は「私の部屋では、ラーメン一杯でもご馳走になれば報告させている」と釈明したが、現実には相撲取りはタカリ体質が染み込んでいると考えた方がよい。
暴力団にとっては、原野商法のような詐欺行為の宣伝に相撲取りを使うと信用度が増すとのメリットがあるらしく、まさに「持ちつ持たれつの関係」が成立してきた。

相撲協会が全ての膿を出し切る覚悟なら、不透明な利権団体のお茶屋制度の廃止、自ら取得に高額を要した年寄制度を廃止が必須だろうが、まずは無理だろう。
何より、相撲取りのゴッツアン体質は相撲界の歴史と伝統そのものだから、悪い事などとは思ってもいないのではないだろうか。
しかし、食事のたびに領収書を求める相撲取りなど、まるで絵にならない。
相撲取りは、その風貌や立ち居振る舞いが現実から超越した存在として人気を集めた。
しかし最近の世の中は、コンプライアンス全盛の時代へと変わっている。
ファン側が普通の道徳観を相撲協会に求めれば、相撲協会は存在できない。
もしも、そんなファンが増えたら、膿で構成されている相撲協会は消え去るべき存在だろう。

皮肉な見方だが、もしも相撲が好きなら、今までの取巻き評論家の如く、「臭い物には蓋」。
ひたすら見て見ぬ振りを続けるしかない。
今回問題になっている暴力団との付き合い、賭博、高額な年寄株、タダ飯、タダ酒、タダ女などは、相撲界では当たり前なのだ。
「相撲は日本の伝統だから」と言い訳して、清濁併せ呑む事が相撲ファンの粋!
チッチャイ事は気にするな、それワカチコ、ワカチコ!
それこそが、相撲が生き残る唯一の道だ。