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菅直人への疑問、疑念

民主党代表選での菅直人の戦略は明快だ。
小沢一郎の不人気を突く!」と、この一点だ。
新人議員からの激励に、気合いの入った表情でガッツポーズ。
その後は、北九州市の工場を訪問、景気回復と雇用促進を約束。
果てはラーメン屋で「レバニラいためと餃子」を注文、庶民派をアピール。
国会議員の数では劣勢なので、ひたすら人気取り作戦に徹する。
国民世論だけが頼みの綱だ。

菅直人の唯一最大の政治目標は、首相の地位にしがみつく事。
その為には、強敵小沢一郎に勝たなければならない。
そしてそれを実現する為には、形振り構ってはいられない。
菅直人を突き動かす情熱は、権勢への執着心だけだ。
しかし首相就任以降、円は上がり続け、株価は下がり続けた。
この間、菅政権は、一体どのような施策を打ったのか?
「重大な関心を持って注視している」とは言うものの、何をどうするのかが全く見えない。

市民運動家からなりあがった菅直人は、元来は反権力のはずだ。
得意のディベートで、舌鋒鋭く論敵をやりこめる。
厚生相として身内の官僚を敵に回し、薬害エイズ患者に謝罪した姿こそ菅直人の真骨頂だった。
患者は今でも、「菅直人に助けてもらった」と感謝していると聞く。
しかし今の菅直人は、権力の我利我利亡者でしかない。
鳩山由紀夫民主党代表辞任を受けて、急きょ総理大臣に就任したのはやむを得ないとしよう。
しかしその後の参議院選挙では、菅直人民主党は大敗した。
茶坊主評論家の一部が、「敗因は鳩山、小沢のカネ疑惑」とおベンチャラを言うが、実は絶対にそうではない。
昨年の衆議院選挙では、多くの国民は、政権交代さえ起きれば世の中が変わると夢を見た。
その民主党その物の賞味期限が切れただけだ。

市民運動家菅直人は本来ならこの時点でもう一度「菅直人民主党と信を問う」と、衆議院解散総選挙に打って出なければならない。
しかも野党時代には、政敵自民党の総理大臣交代を「民意を受けていない」と攻撃していた。
参議院選挙で大敗したにもかかわらず、しかし政治家菅直人は、自分と民主党の身を守る事を優先した。
あろう事か、民主党新人議員達を前に「三年間は自分の政権」と露骨な選挙運動に徹する。
「選挙をすると負ける事必至なので、任期一杯は居座る」のは、古色蒼然たる政治屋の姿勢ではあるが、清廉な印象だった市民運動家出身菅直人の政治姿勢ではないはずだ。

民主党代表選前までにはあり得なかった愛想笑い、作り笑いを絶やさない今の菅直人を見ると、その裏側の顔は小沢一郎に「劣るとも勝らない」醜悪さを感じる。