昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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故郷は遠くにありて思うもの

たまたま、故郷に帰省した。
そこは、高校を卒業するまでの18年間を過ごした場所だ。

車を駆って、懐かしい場所を訪問。
昔の学び舎を訪ねてみた。
学び舎と言うより、遊び舎のほうが表現としては適切か。
三年間通った高校は、当時はずいぶんと駅から遠い印象だったが、実際に再訪してみると大した距離ではなかった。
ニキビ顔で最も多感だった高校時代は、友達と遊びまわるのに忙しく、暗い受験勉強の記憶が乏しい。
暇を持て余していたし、いつも腹を減らしていた。
当時の写真を見ると、惰眠を貪り、脾肉の嘆を囲う程に変わった現在の姿からは信じられない程、精悍さと栄養失調が紙一重の痩せ細った体型だ。

変わったのは、当方の姿かたちだけではない。
目にする故郷の光景は、全く変わり果てている。
過疎化の波にあって、人口は減少の一途。
特に若人の流出が激しく、残った人の大半は老人。
その為か、やたらと病院が多い。

商店街は、ほとんどがシャッターを閉じ、人通りもなく閑散としている。
昔のように、地元で買い物をする客がいなくなっている。
こんな田舎町に、最も集中的にデフレの影響が表れていた。
今後何十年絶っても、昔の賑わいを取り戻す事はないだろう。
寂れ果てた故郷の町並みを見ると、暗澹たる思いになってしまう。

そんな変わり果てた故郷にも、新幹線の工事が進んでいた。
こんな田舎町で、一体誰が利用するのだろうか?
地元出身の有力国会議員後援会の看板が、ところどころに見受けられる。
ゼネコン御用達の工事だろうが、例え開通しても赤字を垂れ流すに違いない。

家族もほとんどの友人達も、この町を出てしまっている。
もうこの町には、僕の居場所はない。
故郷は遠くにありて、懐かしさだけを思うもの。
改めて、そう思った。