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白鵬の記録、イチローの記録

白鵬が圧倒的な強さで全勝優勝、連勝記録も62まで伸びた。
ガタガタの相撲協会をたった一人で支えている。
その精神力と責任感の強さから発するオーラは、まさに大横綱の貫録だろう。
来場所は、いよいよ双葉山超えが現実のものになってくる。
しかし僕は、背景も環境もまるで違う双葉山白鵬の記録を比較しても意味がないと思っている。
もともと双葉山は、69連勝もしているのに優勝回数はわずかに12回。
平成時代の白鵬は大横綱だが、さりとて昭和の時代に4年間も負けなかった双葉山の記録の価値が下がる物でもない。

イチローの記録も似ている。
日本のマスコミは、「10年連続200本安打は前人未到の大記録」と特集の新聞まで発行した。
連続ではないが10年間200本安打を記録している大リーグ切っての安打製造機ピート・ローズがインタビューに「自分はヒット数198本がある。それなら後2本打っておくんだった」と答えたのは御愛嬌。
彼のヒット数4256大リーグ記録への挑戦については、イチロー日本時代の安打数をカウントするべきではないと断じた。
「日本野球は3Aクラス」がその理由だ。
腹が立たない訳ではないが、一理ある。

王のホームラン数868本も、我々日本人は世界記録と言うが、アメリカで話題になる事はない。
李承燁は韓国で年間ホームラン56本を打った事があるらしいが、日本人でこれを「王の記録を超えている」と思っている人がいないのと同じだ。
球場の広さも、試合数も、野球のレベルも違う。
各々の国で一番なのは異論を待たないが、世界記録ではない。
また他の国と比較する物でもない。

白鵬が年間二場所の双葉山時代に相撲を取っていれば、体力の消耗も少なく、もっと連勝したかもしれない。
イチローが最初から大リーグで活躍していたら、ピート・ローズの記録など簡単に抜いていたかもしれない。
しかしそれは全て、歴史のイフであり、単に想像して楽しむ物でしかない。

白鵬も、イチローも稀代の天才だ。
彼らの大記録達成を目の前にして、現在の偉人達への敬意と共に、過去の偉人達の記録に関心を持つ事も一興だ。
改めて天才白鵬イチローが挑戦している、双葉山ピート・ローズ、そして王貞治が挑んだハンク・アーロンの凄さを再認識したいものだ。