昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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取引先の結婚式

ホテルオークラで執り行われた、取引先の結婚式に招待された。
新郎は40歳超、新婦は40歳弱で、二人の年齢を合わせると80歳なので、結構晩婚組だ。
尤も最近は、男女とも婚期が遅れているとかで、この程度は普通かも知れない。
そう言えば、全く久しぶりの結婚式。
確かに周辺で結婚する連中は激減している。

新郎は、二代目社長で、なかなかのやり手。
新婦は、ごく普通の勤め人なので、所謂玉の輿となる。
新郎の取引先を中心に300名も招待客がいて、時間も午後1時から4時間の長丁場。
個人的な祝い事と言うより、マァ、会社を挙げての大セレモニーだった。
ゲストが多いと、披露宴は大騒ぎ状態になる。
あっちこっちで、名刺交換や、酒の御酌で大忙しなので、新婦の友人が思い出話をしても、プロの司会者が祝電を披露しても、もはや誰も聞いていない。
流石に、新婦のお色直し再登場では、全員が手拍子で迎えるが、友人達が写真撮影に殺到し、すぐに統制がとれなくなる
新婦は学生時代マンドリンクラブだったらしく、催し物として、ウェディングドレスを着たまま、友人達との演奏が準備されていた。
所詮は素人集団なので、お世辞にも上手いわけではないが、こんな時には新郎の友人達から必ず「アンコール!」や「もう一度!」コールが湧き上がる。
結婚式では忌み言葉でタブーなのだが、今回もまた常識なしが多いようで、派手に騒ぐ集団がいた。

ホテルオークラの料理は、味は良いのだが、量が少ない。
それでも、少しずつ食べていると、結構満腹になる。
メインディッシュは「国産牛サーロインのローストビーフ」お替りOKだったが、残念ながらこの時点では「もう結構です」状態だった。
最後はお決まりの、新婦の母親への感謝の表明と、両家を代表して新郎の父親がゲストへの感謝の挨拶でお開きとなった。
新婦の父親は、戦後の動乱状態の中で今のビジネスの将来性を確信していた、この会社の創設者なので、流石に挨拶も年季が入っている。
絞り出すように、ゆっくりと、大きな声で、「若い二人をよろしく」と訴えていた。
会場の全員が、水を打ったように静かに聞き入り、新郎新婦よりも目立ってしまうのが、オーナーの貫録だろう。

この手の、会社が前面に出た結婚式は、出席者にとっても本人達の新たな門出を祝うのは建前、あくまでお互いの仕事を今後とも円滑に進める事の意思確認が優先されている。
新郎新婦が永久の契りを結ぶ神聖な儀式ですら、商売繁盛の手段になるものだ。