昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

気功と冷気

気功なる治療法がある。
信じる人には霊験新たかだが、信じない人にはインチキ極まりないとしか映らない。
当方は明白に後者。
能書きで、
「西洋治療法にはない、人体の謎を解明し、病の正体である邪気を取り払う事で、万病が治る。」
なんて言われても、「そんなアホな」としか思えない。

しかし、僕の先輩の一人に、熱心な気功信者がいる。
彼は毎週、信頼する師匠の指導の下、訳の分からない格好の訓練を繰り返している。
彼の主張によると、ある法則に従って息を吸ったり吐いたりすると、体内から毒素が放出され、健康そのものになるらしい。
あまり強く反論して、「じゃ、試しにやってみろ」と薦められると困るので、適当に相槌を打つが、彼が力んで話す内容は全く信用していない。
大体、精神統一なんて言っても、心の持ち方だけであり、目に見えない「気の流れ」なんて、新興宗教の教祖様の発言をありがたく押し抱く、騙され信者その物ではないか!

そう西洋式合理主義で割り切っているのだが、「それでは冷気とは一体何だ?」と問われると答えに窮する。
最近は、日本全体が西高東低の冬型天気図に覆われ、寒くて仕方がない、
我が家の近所も、朝方の冷え込みは半端ではなく、連日零下の温度を記録している。
そして、この凍てつく冷気は、当たり前だが全く目に見えない。
目に見えなくても、体は充分過ぎるほど寒さを感じてしまう。

風が吹く事に拠る寒さは、吹き抜ける風の音や木々のせせらぎで耳から体感できるが、冷気は皮膚感覚でしか分からない。
それが、体中を刺すように寒く冷たく感じられるのだから、間違いなく冷気は存在している事になる。
ならば人によっては、誰にも見えない「気の流れ」を感じる人がいるのかもしれない。
そう言えば、台湾でも中国でも、老人集団が公園に繰り出し、ゆっくりゆっくりと体を動かす太極拳に励んでいる。
あんなスローテンポでも、健康には大きな効果があると信じられ、愛好者がかなり存在している。

我々は、医学も哲学も、東洋に比べ西洋が進んでいるように錯覚しがちな教育を受けてきたが、実は一見迷信のようだが土着性の強い東洋的処方箋の方が、即効性はないが安心感があるような気がする。
経済も、昔はアメリカ、ヨーロッパが全盛だったが、今やアジアが中心。
些か西洋かぶれ気味の当方は、薬は漢方薬、宗教は神道、歌なら演歌、演劇は時代劇。
この辺から、精神を鍛え直してみるか。