昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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退屈でたまりません!入院二日目

昨晩は9時半に就寝。
宛がわれた病室は、洗面所とトイレの前。
便利な一方、真夜中に介護が必要な患者のトイレを、数人の看護婦が手伝っていると、一種のお祭り状態で、掛け声やうめき声がうるさい。

最近の外来病棟は、老人ホーム化しているらしい。
暇な年寄りが集まり、治療と称して情報交換や自分の健康状態を確認している。
「あの人、最近見かけないけど、どこか具合が悪いんじゃないかしら?」
病院の待合室の会話にしては、ブラックユーモアに近い。
入院棟も似たようなもののようだ。
入院患者の朝は早い。
5時頃からゴソゴソと動き始め、患者同士が大声で喋り始める。
まるで具にも着かない世間話や、入院しているくせに健康自慢話に余念がない。
早朝から洗濯機を回すヤツがいたり、爺さんが入れ歯を洗う音、トイレで痰を吐く音まで聞こえてきて、全くうるさい。
看護婦達は、患者達へは、大声でゆっくりと、まるで赤ちゃん相手に話しているようだ。
老患者もまた、そんな看護婦の口ぶりに文句も言わず、唯々諾々と従う。
見ているだけで、未来の我が姿が思い浮かび、暗澹とした思いに駆られる。

当方もまた、テレビも新聞もないし、庭の盆栽を見る事もできない。
目を覚ました後、何か目的があるわけでもない。
入院すると日常から切り離されるので、時間だけはタップリとあるが、やる事は何もない。
やはりこんな病院に長くいると、碌な事はない。
治療が終わったら、サッサと退院するに限る。
病院をサロン代わりに使うのは、当分はお預けとしよう。

朝食は、何と8時15分から。
15分と言う中途半端な時間に何か意味があるのかは分からないが、いつもに比べるとかなり遅い。
昨晩の夕食が17時15分だったので、間が空きすぎて腹が減る事、この上ない。
パン二枚、サラダとミニソーセージ三個、オレンジ三切れ、聞いた事もないメーカーの牛乳。
普通なら大して美味くもないのだろうが、何せ腹が減っているので、何一つ残さず完食。
一日の最初のビッグイベントが終わった後、大先生の回診がある。
昨日の執刀医は親父、回診は息子。
「ずいぶんと大きかったですね、首の皮は厚いから手術は大変なんですよ。ハイ消毒しといて」って、有難味ゼロの御託を並べて、アッという間にいなくなった。
休日の午前中、いつもなら愛妻が立ててくれる美味しいコーヒーもない。
仕方がないので、自動販売機でブラック缶コーヒーを買うが、ちっとも美味くない。
暇な分だけ、文句も多くなる。

午前中1時間半の点滴が終わると、本日二番目のイベント、昼食。
美味くはないが、食えないほどまずくもない。
全て、一粒残さず完食。
退屈しのぎに看護婦に正式な病名を聞くと、「先生から話して貰います」と勿体をつける。
「そんな仰々しいものじゃないから、適当にチャチャッと教えて」と言うと、メモ用紙に何だか凄い達筆で「項部粉瘤腫」と書いてきた。
ついでのように、「明日午前中、もう一度殺菌用の点滴をして退院しましょう」だって。
出血は昨日から全く止まっているので、今日にでも退院は可能のはずだが、病院の都合もあるようだ。

夕方16時に、二日ぶりのシャワー。
17時15分には夕食で、これが本日最後のビッグイベントで、後は何もない。。
21時に消灯。
何とも退屈な一日だ。