昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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実は読書が好きなんです!

小さい時から読書は好きだった。
中学生の時には谷崎潤一郎細雪春琴抄痴人の愛、卍等を読んでいた程だから、結構マセテいたのかもしれない。

就職後は営業の仕事だったので、出張が多かった。
行き帰りの時間は本来なら仕事をしなければならないのだろうが、昔はパソコンも携帯電話も無い。
役得で、読書に勤しむ事になる。
業務時間に本が読めるなんて、読書大好き人間にはとっては本当に恵まれていた。

今でも読書量は多い。
その分、本代もバカにならない。
やむを得ず、新刊を買うことは稀で、文庫本が対象になってしまう。
最近は文庫ブームらしく、あらゆる出版社が競って文庫本を出版する。
貧乏本好きには、大変ありがたい。

問題点もある。
文庫分とは言え、ドンドン買い込むと結構な量になる。
そうすると保管場所が無くなる。
しかも、本は重い。
そして、二度読む本はほとんど無い。
そこで昨年、「会社に図書館を作ろう」と提案した。
本音は我が家の不要な本の処分なのだが、建前は本を回し読みする事でのコストダウン。
お陰で会社の本棚に、我が家にあった長期在庫本がズラリと並んだ。
動機は不純だったが会社では結構好評で、同じ悩み(だったのかは不明だが)の社員も読後の本を提供しているので、社内図書館もだんだん充実してくる。

最近読んだ本の一押しは、宝島文庫、後藤忠政著「憚りながら」。
この人、知る人ぞ知る、元山口組大幹部、後藤組組長。
経済ヤクザの魁とも言われるが、本来はイケイケの大武闘派で、引退後は得度の道を選択。
その人が自分の生き様を語り、世相を切る。
賛否はあるが、一芸(?)に秀でた人の語りは奥が深い。

もう一つは、元三菱銀行マン池井戸潤著の「空飛ぶタイヤ」(講談社)。
テレビドラマにもなったらしいので、ストーリーを知っている人は多いかもしれないが、本で読むと臨場感が違う。
長編小説だが、一気呵成に読んでしまう。
我が社でも大変好評で、俄か池井戸潤ファンが増えた。
テレビは、情報が目からも耳からも入ってくるので、場面を想像する必要が無い。
読書は、目で活字を追いながらイメージを膨らませていく。
想像力や理解力、集中力を鍛える上で、テレビよりも遥かに効果的だ。

つい最近の出張で、JALのスッチーが「○○様、これで二冊目ですね」と声をかけてきた。
機内に本を二冊も持ち込んでいたので、熱心な読者に見えたようだ。
降りしな、手作りのカードを「ブックマークにしてください」と差し出してくれた。
彼女も読書好きとの事。
稚拙な字だったが、ちょっとした心遣いががうれしい。
苦境にあるJALも、顧客満足度をあげるために努力している。