最近はプロ野球に対する関心が薄らいでいる。
サッカーに比べて動きが少ないし、試合時間も長い。
且つ、いつ終わるのかもわからない。
大胆に予想するが、プロ野球はグローバル時代には不向きなスポーツとして、だんだん人気がなくなるのではないだろうか。
そんなプロ野球のペナントリーグも終盤に入った最近、急に面白い見世物が出現した。
落合監督のクビが決まった途端、急に中日が強くなったからだ。
昨日はとうとう、首位ヤクルトとゲーム差ゼロまで追い上げた。
ヤクルトがアップアップの気息奄々状態なのに比べ、中日は絶好調。
このままでは、逆転の可能性が高い。
一時期は１０ゲーム以上も離されていたのだから、これは奇跡的な展開と言える。
もしもそうなると、中日史上初めてのリーグ連覇となる。
その時、中日球団はどんな言い訳を用意するのだろう。
史上初の快挙を成し遂げた監督が、自ら勇退するのではなく、契約満了を理由に再契約を拒否される。
普通なら、「もう一年お願いする」のが相場だろうが、既に後任監督は発表済み。
将に落合博満の最後っ屁で、面目躍如の感がある。
落合監督への評判は、将に賛否両論。
しかしどちらかと言えば、アンチのほうが多いような気がする。
あのぶっきら棒の対応からは、少なくとも人に好かれようとの姿勢はまるで見られない。
「結果を見てくれ。結果が悪ければ自分が責任を取るだけ」「勝つ事が最大のファンサービス」との、見事なまでの割り切りが見える。
「自分のやり方を分かってくれる人が、実は一番の野球ファンだ」との自信もあるようだ。
人気のなかったロッテ球団で華麗な実績を残し、トレードで巨人の主軸を張った時も、選手の誰とも群れず、一人孤高を貫いた。
そんな一匹狼落合の、指導者としての適正を見抜いたのが中日球団なのだから、昔は素晴らしい経営者がいたものだ。
落合は、決して選手に阿ない。
選手の適正、能力を見抜いて、まさしく適材適所で起用する。
岩瀬投手が抑えとして適していると見抜き、セーブの日本新記録を樹立する大投手に育て上げた。
落合采配を語る時必ず話題になるのが、８回までパーフェクトピッチングだった山井に、９回の抑えに岩瀬を起用、二人で日本シリーズ完全試合達成の試合だろう。
これまた賛否両論の大騒ぎになったが、そんなに信頼していた岩瀬でも調子が悪いと、今シーズンでは浅野を起用して逃げ切りを図る。
勝つ為のベストチョイスを、冷静沈着に判断している。
しかし落合が勝負に拘り、いくら好成績を残しても、まるで面白みのない采配と叩かれ、球場へ足を運ぶファンが減っているのが現実だ。
落合の最大のファンサービスは、多くの中日ファンには伝わっていない。
それを理由に、落合は中日を追われる。
ファンなんて勝手なものだ。
贔屓チームが弱い時には、何でもいいから勝って欲しいと願う。
勝つ事に慣れてくると、次には面白い試合で勝つ事を願う。
両立しない事を要求して、結局は両方とも失くしてしまう。
落合監督のようなキャラは、優勝請負人として、弱小チームを３年間指導して去っていく運命なのだろう。
玄人受けはするものの、そんな陽の当たらない、地味な監督の姿が、名将落合には似合う。
今年は、落合監督最後の勇姿を見るべく、中日を応援する事に決めた。
