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中国共産党が官僚の腐敗を追求するらしいが

国民平等が謳い文句のはずの共産主義国家中国で、新たな指導者となった習近平が、就任の演説で妙なことを口走った。
汚職追放に取り組むらしい。
今や改革開放とか計画的市場開放経済などと、訳の分からない屁理屈で国家運営している中国は、すっかり看板が錆びついてしまったが、それでも一応共産主義国家を標榜してきた。
そんな中国内の格差は、資本主義国家のアメリカや日本よりも遥かにひどい状況で、富の大半を一部の共産党幹部どもが独占している。
共産主義が人類の平等を謳った思想だとすれば、まさにブラックユーモアの最たるものだ。

先月まで中国の首相だった温家宝は、その朴訥とした風貌や、四川大地震の時、真っ先に被災地を訪問した行動力を評価され、中国国民から「国父」とかの称号で慕われていた。
その彼とその一族が、アメリカに27億ドルの資産を隠し持っているとニューヨークタイムズに暴露された時、中国は報復にアメリカにサイバーアタックを実行したほどのマル秘事項だった。
しかしその温家宝の公式な月給は、わずかに30万円。
どうしたら27億ドルを蓄財できるのか!

権力者とその取り巻き達は、自分の立場を利用した利権団体となり、ひたすら富を集中する。
トップが拝金主義に走ると、当然下もそれに倣う。
中国官僚たちの不正、腐敗は、まさに中国共産党の宿痾であり、本格的に腐敗根絶を企てると、共産主義体制そのものが崩壊する。
まさに習近平の試みは、自家撞着の極みだ。
中国共産党は、決して官僚の腐敗を正すことはできない。

しかし官僚の腐敗は、実は中国だけでなく、世界中のあらゆる国家が抱える問題でもある。
そもそも発展途上国の官僚は、ほとんど大半が何らかの賄賂を要求すると思って間違いない。
古今東西、官僚の給料は決して高くない。
全てが税金から支給されるので、高く設定できないからだ。
しかしこれまた古今東西、官僚になる連中の知能指数は高い。
そんな連中が薄給に甘んじるのは、無論天下国家を動かすとの使命感もあるが、もう一つ、官僚になると生活が安定するとの打算も強い。
日本の官僚も、昼夜を厭わず激務をこなし激烈な競争を繰り返して、最後は次官一人が残るシステムになっている。
では落ちこぼれ官僚はと言うと、これが悪名高い天下りで救済される。
だから官僚たちは、薄給にも拘らず安心して仕事に没頭できるのだ。

発展途上国では、薄給のコンペンセイションみたいな感覚で賄賂が要求さるし、分かっていて見ぬ振りをしている場合が多い。
僕自身の経験でも、海外で製品の輸出入をする場合、入管の許可がないと荷物を受け取ることも発送することもできない。
精密機械などは、長期に港に据え置かれると錆が発生して使い物にならなくなるリスクもある。
一方国内の本社では、コンプライアンス全盛時代なので、賄賂など全く理解してくれない。
現地では、進退窮まってしまうことが多かった。
こうなると、蛇の道は蛇。
何となく、それとなく、官僚を手なずける方法を考え出す。
ちょっと前までは外国煙草が幅を利かせる良い時代もあったが、最近では商品券が必須アイテムになっている。
これを日本的倫理観で、怪しからんと怒っても、あまり意味がない。
むしろ郷に入らば郷に従えで、海外の常識はこんなものと割り切るしかなかった。

税金を取り立てる役の官僚は、昔から民衆からは評判が悪い。
そんな憎っくき木端役人如きの給料を上げるとなると、間違いなく大反発を招く。
しかし薄給のままにしておくと、官僚は自分の能力を蓄財に使ってしまうものだ。
僕は官僚の不正をただす唯一の方法は、官僚の給料を高くすることだと思っている。