昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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やっと完治!

真夏の猛暑の中、日曜日を除いてほぼ毎日、病院に通い続けた。
治療は至って簡単。
絆創膏をはかし、患部に挿入されていた膿を吸い取る為のガーゼを取り出し、消毒、またガーゼを挿入して、絆創膏を貼り付ける。
この間、時間にしてわずか一、二分程度。
後はお医者様から、「だいぶ良くなっていますね。もう少しです」と、定番でまるで有り難味のないお見立てを頂いて終わり。
患部は痛くも何ともないが、絆創膏が欠かせないので皮膚がかぶれて痒い。
しかし一番の悩みは、絆創膏が髪の部分にはってあるので、剥がす時に猛烈に痛い事だ。
看護婦によっては、慎重にゆっくりと剥がすバカもいて、こうすると却って痛い。
その度に「思い切って、一気に剥がしてくれ」と注文をつけないといけない。

7月末日。
この日は、副院長先生の診察を受ける。
7月2日、即日の手術を決定したヨボヨボ医者の息子で、我が患部を執刀したオトコだ。
あの時に痛さは、思い出しても脂汗が出てくる。
しかし一ヵ月後のこの日は、この大先生の判断如何で、今後の方向性が決まる。
腹の中は恨み節で一杯なのだが、愛想笑いを浮かべてファイナルアンサーを待つのが小市民の辛い処だ。

大先生は先ず、下手クソ看護婦がギリギリと剥がした絆創膏をチェック。
血も膿も出ていないことを確認、続いて手術跡を覗き込む。
その結果、「もう血も出てませんね、下から肉が盛り上がってきましたよ。一ヶ月間、よく頑張りました。これで治療は終わりです」と、幼稚園児相手みたいな話し方だ。
それでも、待ちに待った完治宣言。
それまでは何かと反抗的な患者だったが、この時だけは殊勝に「どうもありがとうございました:」と礼を言うのも小市民。
大副院長様は大変お忙しい方で、たったこれだけのご託宣で、風の如くに次の患者へと移動。
こっちは一番肝心の事を聞いていなかったので、残っていた看護婦に、「ところでゴルフは?」と質問すると、「先生が完治と言ったのだから良いんじゃないですか」と、やや投げやりな返事が来た。
未だ膿が出ている頃からしつこく質問していたので、いささか辟易していたようだ。

いずれにしても、苦闘、苦難の一ヶ月間だった。
この間、いつも首の絆創膏を気にしていた。
髪の毛を上から貼り付けているので只でさえ不安定な上に、汗をかくのですぐに剥がれて来る。
すると生々しい手術跡と埋め込んだガーゼが見えてしまうので、周囲が気を遣う。
何よりも、汗をかいてはいけないので、休日は外出を控え、冷房の効いた部屋でWOWWOWの映画を見続けた。
そんな座敷牢生活の退屈さからも、やっと開放される。

先ずはこの土曜日、床屋で伸び放題の髪を切り、身も心もリフレッシュする。
続いて、愛しのホームコースへ赴こう。
物心ついてから、と言うか、ゴルフ心がついてから、完全に一ヶ月間もゴルフをしなかったのは記憶にない。
しかも天気予報は、またも夏の高気圧が張り出すようだ。
体力だけでなくも、実践から遠ざかっていた分「カネと回数で固めてきた」ショットの不安が強い。
それでもゴルフ戦士は、戦場に向かう。
何故なら、「そこにゴルフ場があるから」と、武者震いの思いだ。