昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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姉の死

今朝20日、午前6時半、姉が死んだ。
死因は肝臓癌。
8月30日、体調を壊して入院した時、末期の肝臓癌で、「余命一年はない」と診断された。
15年以上前、病院で誤って肝炎の患者の注射が刺さったらしい。
定期的に検査してきて、「癌発症の危険はない」と診察されたので大いに喜んでしまい、その後の定期診断をサボっていたようだ。
酒、煙草には全く無縁で、偏食もない姉なので、他には肝臓が悪くなる理由が思い当たらない。

姉とは七学年違いなので、一緒の学校に通った事はない。
しかし五人兄弟の四番目と末っ子だったので、一番遊んで貰った。
ドジで、いつも僕から文句を言われる役回りだったが、底抜けのお人好しだったので、どんなに突っ掛って行っても、全部笑って受け流してくれた。
近所の人が縁を取り持ってくれて結婚したが、結婚後も旦那が度々職を変えたり、子供がイジメに合うなど、苦労が絶えなかった。

生来少し吃音気味で、本来は喋るのが得意ではなかったはずだが、子供がピンチになると、肝っ玉母さんのように自ら積極的に周囲とも関わり、ハンディキャップを乗り越え子供の盾の役割を果たした。
僕の知っていた引っ込み思案だった姉ではなく、むしろ人付き合いが良い人との評判をとり、二人の子供を立派な社会人に育て上げた。
心配のタネだった子供たちは、今では二人共家庭を持ち、子宝に恵まれている。
そんな子供と孫の成長を事のほか喜びんでいたのに、平和で幸せな生活を送れるようになった時を見計らったように、「ここが人生の終わり」という最大の不幸に見舞われた。

70歳になった時は、69歳で死んだ母の年を上回ったと喜んでいた。
そのわずか一年後、しかも入院からわずか三週間で死の宣告を受ける。
運命は非情だ。
あまりの事態の急変に呆然として、何も手につかない。