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三鷹ストーカー事件とノーブレス・オブリージュ

三鷹で悲惨なストーカー殺人事件が発生した。
被害者からストーカー被害の相談を受けながら、事件を防げなかった警察への批判や、加害者の歪んだ愛情など、情報が乱れ飛んでいる。
その中で異色なのが、プロ野球ロッテ球団の神戸拓光ツィッターで、ここで「被害者の自業自得」と書いて大騒ぎになっている。
クライマックスシリーズ直前のロッテ球団は、もみ消しに必死で、「不適切行為」と陳謝、神戸拓光は自宅謹慎処分を受けた。
神戸拓光は「被害者が可哀そうとは1ミリも思わない」とまで書いていた。
よほどの信念があるかと思いきや、すぐにツィッターで謝罪したくらいだから、プロ野球選手としては二流でしかないが、人間としても大した事がない。

しかしこんな事件が起きると、必ず神戸拓光を肯定する意見も出てくる。
真偽のほどは不明だが、ネット社会では被害者の過去を論う記事も氾濫している。
誰がどこで探し出すのか分からないが、ネットに溢れた情報から、加害者が投稿したと言われる動画の存在まで指摘されている。
聞くところではこの被害者は、容姿端麗だけでなく、氏素性も超有名脚本家の姪。
女優を目指すタレントで、仲間内でもすこぶる評判がいい。
まるで非の打ちどころがないほどの、典型的な良家の御嬢さんだ。
ならば何故、殺人を犯すほどの被害者と知り合ってしまったのか?
何故、加害者に殺人を犯してしまうような錯覚を与えてしまったのだろうか?

ノーブレス・オブリージュと言う言葉がある。
英語ではノーブル・オブリゲイションとも言われるが、「高貴の人はそれなりに義務を負う」みたいな意味だ。
如何にも貴族社会ヨーロッパ人の発想だが、実際にイギリスの王室は率先して軍隊を志願した例もある。
身分制度そのものを肯定する負の面もあるが、高貴な特権階級はその存在に甘んじる事なく、社会貢献でバランスを取るべきだと考える方が一般的だ。

僕は今回の被害者に対して、自業自得とは思わない。
しかし容姿端麗に生まれたからには、ノーブレス・オブリージュみたいな用心があって然るべきだったと思っている。
美しく生まれたのは、特権に違いない。
だからこそ女優への道が開けたのだろうが、その分誘惑も増える。
良い人も近づいてくるが、世の中には悪いヤツだって掃いて捨てるほどいる。
美人だからこそ、言い寄って来るオトコも千差万別。
今回のようなストーカー事件だって、被害者の容姿が普通以下なら発生する確率はぐんと減る。
ならば、少なくともネット社会で知り合った見も知らない人物と付き合うのは危険が伴うと、用心してかかるべきだったと思うのだ。

志半ばで殺された、本人の無念さだけではない。
手塩にかけて育てた両親や、被害者の将来を期待していた知り合いたちの夢も叶わなくなってしまった。
便利なネット社会は、その便利さ故に、それを打ち消して余りあるマイナス面を持っている。
女優になり、有名になる為に、ネット社会で不特定多数の人とつながるのは一つの手段だろうが、身の破滅になったら元も子もない。