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ボコ・ハラムの蛮行と野田聖子

ナイジェリアのイスラム原理集団、ボコ・ハラムが少女200人を誘拐したようだ。
この事件は世界中にショックを与え、一斉に非難の声が上がっている。
ボコ・ハラムは、今回の事件以外にも、様々なテロ事件を頻発させている。
彼らはキリスト教西欧文化を嫌悪しているらしいが、我々の常識からは、余りにもかけ離れた狂信集団にしか見えない。

男女同権や、男女雇用機会均等法などが声高に叫ばれる今時に、女性が教育を受ける事を否定し、誘拐した女生徒を「神の指示に基づき、奴隷として売り飛ばす」とは、何百年も先祖帰りしたような奴隷制度時代の考えとしか思えず、どう贔屓目に見てもそんなボコ・ハラムの理解者がいるわけがない。
しかし難しいのは、こんな突拍子もないような思想でも、真剣に信仰している連中がそれなりの人数いて、それなりの資金源があり、それなりの活動をしている現実だ。
こんな輩は馬鹿で野蛮人と思いがちだが、しかし決して愚かな集団ではないケースが多い。
主義主張が我々とかけ離れているだけで、むしろ真面目に宗教や神を考えている連中がこんな蛮行を仕出かす。
そう言えば、我が日本の連合赤軍事件を引き起こした連中も、生真面目に世を憂えた挙句に、山に籠り、多くの同志を殺害する事件を起こしている。

僕は宗教については、決して詳しくはない。
それでも、仏教は幼い頃から身近だったし、キリスト教については情報量が多い。
神道に至っては、DNAに組み込まれていると実感している。
しかしイスラム教に関しては、信者の知り合いもいないし、教義も読んだ事がない。
マレーシアやインドネシアで遇ったムスリムは、酒も飲むし、話は面白いし、付き合いやすい連中だった。
そんなイスラム教は今や世界最大の宗教だが、中には9・11テロ事件を引き起こしたアルカイーダや、今回のボコ・ハラムのような原理主義集団も存在している。
彼らは、自分たちの価値観だけが絶対的正義であり、他は全て敵と見做している。
敵だから、これを殺しても自分たちが信じるアラーの神の世界を作るのは、彼らにとっては聖戦になる。

グローバル社会では、自分のやる事は絶対に正しく、それを邪魔する勢力を排除するのに手段を選ばないような考えは、ボコ・ハルムなどの特殊で突飛な集団だけに存在するではない。
ごく普通に、ありふれている事を忘れてはいけない。
だからこそ、世界中で紛争の種は尽きないし、その解決には概ね武力が行使される。
そんな非情な国際社会にあって、我が日本を覆う危機意識の希薄さはどうだろうか。
集団的自衛権について、自民党野田聖子総務会長が反対意見を述べている。
野田聖子が、実際はどんなに無定見、無内容な人間ではあっても、一応は選挙で選ばれた政治家であり、且つ日本のオピニオンリーダーの一人と思われてしまう。
その彼女が、「殺し殺される戦場に、若者を行かせるのか?子を持つ母親として、家族がそこに入っていく事を自覚しないといけない」みたいな発言をしている。
要は彼女は、「戦場に赴く覚悟など毛頭ない」のだ。
しかし現実の国際情勢は、彼女自身の言葉にもある「人を殺す、人が殺されるかもしれないリアリズム」の中にある。
ボツ・ハラムやアルカイーダに対して、平和裏に解決しようと、理を説き、情けを語りかけても一切話にならない。
誘拐された少女を救出するためには、武器を以て戦うしか方法はない。

隣国中国が、利権を求め海洋進出を繰り返し、ベトナムと紛争になっているが、これも他人事ではない。
その中国の野望を抑える為には、中国の武力を凌駕する対抗手段しかない。
日本だけで平和な世の中を夢想しても、残念ながら、それが国際社会の現実なのだ。
敢えて言えば、日本の国益を守る為にこそ、日本の可愛い子供をも守る為にこそ、武器を準備しなければならない。
自民党の総務課長まで務める野田聖子なら、感傷的、情緒的発言に訴えるのではなく、冷酷、冷徹な国際社会の現実を認識してほしいものだ。