昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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絶望的な現代の世相

その昔、アン真理子の言うちょっとふざけた名前の歌手の、「悲しみは駆け足でやってくる」がヒットした。
   ♪明日と言うのは、明るい日と書くのね、貴方と私の明日は明るい日ね
   ♪それでも時々悲しい日もあるけど、だけどそれは気にしないでね
   ♪二人は若い、小さな星さ、悲しい歌は知らない
タイトルと中身が矛盾しているような歌だが、結論は、「明日は明るいから、若者は希望を持とう」と呼びかける内容だ。

しかし僕は、世界の明日を悲観している。
僕が生きている間くらいは、何とかなるだろう。
しかし五十年後、百年後の世界が、平和で安定しているとは、とても思えない。
第一に、その頃の世界の人口は、どこまで爆発しているのだろう。
今だって、もう七十億を突破しており、その全員を養う食料はないとの見方がある。
日本では「安全な食料」の需要が大きいが、世界的には安全性よりも、食糧そのものを確保できない地域が多数出現している。

化石燃料だって、いつかの時点で、間違いなく枯渇する。
石油は様々な技術開発で、地底の奥深くに存在するものまで採掘可能になってきた。
シェールガス革命は、アメリカを原油輸出国に戻すインパクトがある。
しかし例えそうでも、五十年程度石油寿命が延びるに過ぎない。
中国では主力燃料の石炭だって、今の勢いで使い続けたら、間違いなく掘り尽される。
現在あらゆる家電を動かす電力も、再生可能なエネルギー源は未開発だし、たとえ見つかっても、世界中の人口を養うレベルには到達できない。
水も不足すると予想されている。

古来人間は、食糧や燃料を求めて戦争してきた。
現代は飽食の時代だと言われるが、世界史的に見れば、そんな贅沢な時代はごくわずかの地域で、ごく短い間しか存在していない。
人間は常に飢えていたし、燃料は不足していた。
その全てが消滅し不足する事が分かると、人間は熾烈に争わざるを得なくなる。
そんな不安感が満ち溢れると、人間は民族純化で生き延びようとしたり、宗教に救いを求める。
そして各々が自分のグループを守る為に、相手側を攻撃する。

即ち、どこを見ても、何をとっても、この十年なら何とか遣り繰りできても、その後については明るい未来など全くないのだ。
そこまで仰々しきことではないが、我々の老後の生活を担保する年金制度だって、すでに破綻が見えている。
国の借金も、到底返済不能なレベルまで膨らんでしまっている。

少子化が問題にされて久しいが、冷静に考えれば、子供が減っているのは自然の摂理かもしれない。
最早子供が将来に亘って、安全に生活できるどこにも保証はない。
子供の時代、孫の時代が、明るい日の保証がないなら、それまでなら当たり前だった、結婚して、子供を作ると言う価値観に対して、本能的な怯えが発生する。
少なくとも先進諸国では、結婚年齢と出産年齢が上がり、出生率が低下するのも宜なるかなの時代なのだ。