昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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人生のトラブルシューティング

40年以上も同じ仕事をしてきたので、様々なトラブルを経験している。
そして、自慢じゃないが、その全部を解決してきた。
…………と、自分では固く信じ込んでいる。
何故なら、僕の仕事はスポットビジネスではなく、継続する事を前提としていたので、トラブルを解決しないと、次の注文が来ないからだ。
悪戦苦闘した事ばかりだったが、兎にも角にも何とかなった。
顧客にも、先輩、同僚、後輩にも恵まれ、ラッキーな会社人生だったと思っている。

そして最近になって、実はこの仕事の苦労が、人生のトラブルシューティングとして大いに役立っている事に気が付いた。

僕はもはや実業からは引退した老人だが、それでも生きていれば様々なトラブルを抱える。
一番苦手な人間関係の揉め事は、極力避けるし、そんな場面には近づかないようにしている。
しかし、例えば本人を含む、家族の健康問題発生とか、突発事故などは、いくら避けたくても遭遇してしまう。
そんな時の解決法とか、あるいは向き合い方は、実は仕事のトラブル解決と一緒だ。

物事に立ち向かうのに、「ポジティブ・シンキング」や「イメージ・トレーニング」が効果的との指摘がある。
予め、結果が上手く行くと信じれば、成功確率がグッと上がるとの考え方だ。
しかし、トラブルの時はまるで逆。
「こうなればいいなァ」は、単なる願望でしかない。
先ず最悪の事態を想定し、その中でとにかく「今すぐにやらなければならない事」を選び出す。
僕の場合、トラブルに出合うと、それによって生じる事項の中で、最優先で緊急対処しなければならないモノから片付ける事にしている。

海外の旅先で、妻が財布を掏られた。
この時には、「何、やってんだ!」と怒りたくなるものだが、それは後の後で良い。
先ずは、掏られた内容を特定する事が重要だ。
クレジットカードがあれば、直ちに携帯電話で使用禁止処置を手配する。
次に、旅を続けるために重要な書類はなかったのかの確認が必要になる。
そこから徐に、今後発生する可能性がある諸問題を思い浮かべる。
その最悪の場面を想定し、それへの対策を講じる。
掏られた現金は、いくら多くても少なくても、サッサと諦めなければならない。
ここまでやっておくと、その後何が起きても、大した事にはならない。
妻から見て、非常事態を迎えても比較的冷静だった夫は、意外だったようだ。

今回自分に起きた、突発性難聴もそうだ。
最初は高を括っていたが、いよいよ左耳がまるで聞こえなくなった時点で、何は差し置いても病院へ直行。
診断結果は、完全に聞こえなくなる可能性は五分五分以上。
では左の聴力を失った時には、どのように生きていくかを考えた。
最悪の場合は、障碍者認定して貰おう。
そうすると、鉄道運賃は安くなるし、駐車も楽になる。
幸いにして取らぬ狸の皮算用になったが、思うに任せない事態を迎えても、最悪よりも良くなると考えれば、少しは気分が晴れる。

40年以上も、ひたすらカネの為に仕事に勤しんできたと思っていたが、貴重なノウハウも身についていた。
仕事様々、会社様々で、有難い事だ。