昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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プロ選手育成強化が喫緊の課題です!

マチュアとプロの間で、一番力の差があるのは将棋と相撲と言われる。
どんなに強いアマでも、プロに勝つまでにはかなり長い下積み生活と修練が必要だ。
 
逆に、最も差がないのがボーリング。
プロでも簡単に、スコア200点以下を出すし、アマが300点近いハイスコアを出す事がある。
ゴルフは、今回の全英オープンでも、アマがかなり活躍する。
日本でも男女ともに、アマチュア石川遼勝みなみが最年少ツアー優勝記録を持っている。
プロゴルファーが社会的にチヤホヤされるのは最近の傾向で、その昔はクラブハウスには立ち入りを認められなかった事もあり、アマチュアの方が強かった時期が長かった。
伝説のボビー・ジョーンズも中部銀次郎も、プロを遥かに凌ぐレベルのアマチュアだった。
 
しかし普通は、勝負が決着するまで時間を要する個人競技は、番狂わせが少ない。
テニスのワールドトーナメントでは、準々決勝辺りからのメンバーはほとんど固定されてしまう。
いつもお馴染みのプロ連中が優勝争いをしているし、そんな中にアマチュアが割って入る余地はない。
陸上競技もまた、実力通りの結果になる。
百メートルや二百メートルの駆けっこでは、強くて速いと評判のヤツが必ず勝つ。
長距離レースに比べ、短距離レースは、スタートが難しいだろう。
いくら神経を研ぎ澄ましていても、たまには失敗もあるだろうし、体調管理も大変だ。
素人目に見ると、番狂わせが起きやすい競技と思われるが、オリンピックや世界選手権のような大一番では、ウサイン・ボルトが負けるシーンは想像しにくい。
跳躍競技や投擲競技でも、争っている連中はいつも同じだし、やはり強いヤツが勝つ。
ラソンもまた、ほとんど予想通りで、早くて体力、気力が充実しているランナーが勝つ。
水泳も然り。
マグレがほとんどない競技では、世界的に有名選手は大半がプロだ。
 
これが団体競技になると、ハプニングが起きる。
オリンピックのサッカーで、日本がブラジルに勝ったことがあるし、世界最高峰レベルのバルセロナレアル・マドリッドバイエルン・ミュンヘンも、年に数回はリーグで格下チームに不覚を取る。
マチュアチームがプロチームに勝つ事はあり得ないはずだが、偶に日本のサッカーの天皇杯では、プロがアマに負けたりしている。
世が世なら切腹モノだろうが、意外と恬淡としているのは、プロのレベルが高くない証拠だ。
 
今回女子サッカーワールドカップで準優勝したなでしこジャパンは、澤穂希宮間あやなどは、ほとんど世間の注目がない時期からコツコツと努力を重ね、やっと花開いた状況だが、そんな苦労が人間性を磨き、「女子サッカーがブームではなく文化になるように」と泣かせる言葉を吐く。
しかし言うは易く、行うは難し!
日本では、その競技一本に絞ってしまうと、将来に亘っての生活の保障が覚束ない。
その為多くの選手が、別途生活の糧を得る仕事を持ちながら、競技を続けている。
日本も昔に比べると、競技に打ち込める環境が整備されてきたが、それでもスポーツ底辺の広い外国や、国威高揚を目指し、優秀選手に特化して国を挙げて支援する外国には遠く及ばない。
名実ともにプロ選手を育成しないと、日の丸を背負って外国のプロ集団に対抗できない。
我々は、大きな大会が開催される度に、日本選手の活躍を付け焼刃で期待するが、実はそれに至るまでに多くの税金を投入して、選手を育成強化しておかないと、勝負に勝てるはずがないのだ。
 
宮間選手の言う、文化とはこの事。
スポーツそれ自体は、何か役立つ品物を作り出すわけではないが、国民の気持ちを一つにまとめ上げる大きな力を持ち、効果を発揮する。
一見無駄と思われるスポーツにも、国を挙げての支援を惜しんではいけない。
(今となっては馬鹿な笑い話でしかなくなったが、民主党政権が最初に鳴り物入りで実施した「事業仕分け」は、場当たり的なポピュリズムパフォーマンスでしかなく、彼の党が如何に幼稚で長期ビジョンが欠落していたかを如実に表している。)