沖縄の翁長知事が、「辺野古埋め立て許可の取り消し」を決めた。
基地反対派からは快哉を浴びているが、政府は埋め立てをやめる気はない。
最終的には裁判になり、結論が出るまでには長い時間が必要になる。
しかし法律的には、そもそも知事には工事を止める権限があるわけではなく、結局は工事はストップすることなく、着々と進むらしい。
民主的な手続きの一つである選挙において、沖縄県民も名護市民も普天間飛行場の辺野古沖移設を反対した候補者を選んだ。しかも圧倒的得票差をつけての結果である。この結果を尊重せずして、何が民主国家と言えようか。
沖縄県民の思いを政府はよく考えるべきだ。
平和の配当は日本全体で負うべきである。
沖縄県にだけ過重な、いや差別的な負担をさせるべきでない。
このことを踏まえて政府は工事ありきでなく、もっと真摯に沖縄の声に応えるべきでないか。
是非とも懐深く政府は対応してほしいものだ。(新党大地代表・鈴木宗男 「ムネオの日記」2015.09.14)
と好意的だ。
鈴木宗男のように、沖縄だけに過分な負担をかけてはいけないと意見する人は、結構多い。
鈴木宗男も然りで、先ず隗より始めよ!
「平和の配当は日本全体で」のような意見を述べるのなら、具体的な受け入れ先を提案するべきだろう。
僕は仕事の関係で、沖縄には何回も出かけた。
しかし沖縄全体でモノを考えれば、沖縄は基地がなければ経済が成り立たないのが現実だ。
だから建前では基地に反対しても、実は基地に組み込まれた生活をしている人が多い。
基地の前で、基地反対を唱えている連中の多くが、本土からの助っ人なのもまた、沖縄の現実だ。
僕は、翁長雄志知事が、自分の公約に従って行動するのはやむを得ないと思う。
彼は知事になるために、出来もしない、非現実的な公約を掲げている。
それは沖縄全体が抱える、矛盾そのものだ。
沖縄そのものに、沖縄全体を養うほどの産業はない。
基地の存在は癪に障るが、基地がなければ生活ができない。
しかしそれを認めると、過去の太平洋戦争にまで遡る沖縄の苦難を認めてしまう。
だから、翁長雄志知事のようなポピュリスト政治家が、沖縄県人のガス抜き政策を打ち出し、表面的には基地移転反対運動が盛り上がりながら、実は辺野古への基地移転計画が粛々と進むのが一番の沖縄問題の解決方法のような気がしている。
こう言うと途端に、沖縄基地反対派からは、「オマエは沖縄の苦しみが分かっていない人非人だ」と、激しい罵倒を浴びるだろう。
実は沖縄は、地政学的にも極めて重要な場所であり、簡単に代替できる場所があるとは思えない。
しかしその沖縄県人は、沖縄に基地があるという事実を、表面的には容認することができない。
ならば沖縄の周辺で、沖縄基地そのものを丸ごと移転する場所を探せばよい。
だから僕は政府に対して、本気で基地の沖縄からの引き上げ移転を考えて欲しいと思っている。
例えば、近所の無人島を、米軍基地の拠点に仕立て上げてはどうだろう。
それに伴って当然ながら、沖縄の基地はなくなり、基地に付属するあらゆる産業も新たな島へと移動する。
沖縄への助成金を使えば、新たな街づくり、空港を含む基地づくりは、さほど難しいことではない。